オーストラリアでナチュラルワイン by Mauve Wine Co.

Sydney在住のワインコンサルタントによるナチュラルワイン(自然派ワイン)の話

Gentle Folk Wine from Adelaide Hills SA

南オーストラリア編、旅の目的地その7。オーストラリアを代表する古木のシラーズを造る老舗ワイナリー、ヘンチキ(Henschke)[前編]

どうもMauve Wine Co.りょーじです。

今日紹介するワイナリーはオーストラリアを代表するワイナリーの1つ、ヘンチキ(Henschke)です。このワイナリーはナチュラルでは無いのですが、せっかく今回の旅でとても素晴らしいワイナリーをしっかりと見学することができたので皆さんとシェアしたいと思います。

そして、これを機会にみなさんに僕がナチュラルしか見ていないという誤解(おそらく相当少なく見積もっても年間600本はナチュラルで無いものを試していると思います)を解くとともに、ナチュラルでは無いオーストラリアの素晴らしいワインを紹介したいと思いこの記事を書いています。

ナチュラルではないと言いましたがこちらのブドウはナチュラルでもよくみられるオーガニックの1つであるビオディナミ(Biodynamic)で栽培されています。ビオディナミの事は以前の記事で書いていますのでぜひ参考にしてみてください。ビオディナミの記事のリンクはこちら→https://mauvewine.com/biodynamic

とても歴史のあるワイナリー

セラードアを入ってすぐにあるスペース。家族経営のワイナリーらしい写真が飾られている。写真からも歴史のあるワイナリーだという事がわかるがヨーロッパと比べるともちろん全然浅い。

ヘンチキオーストラリアを代表するワインであるヒル・オブ・グレイス(Hill of Grace)を造るワイナリーです。ヒル・オブ・グレイスとは樹齢150年を超える南オーストラリア州・エデンバレー(Eden Valley)にあるシラーズの畑で、そのブドウから造られたワインがヘンチキのヒル・オブ・グレイスです。

ワイナリーの歴史として1868年から続いているヘンチキは現在は5代目のスティーブン・ヘンチキ(Stephen Henschke)6代目のヨハン・ヘンチキ(Johanne Henschke)を中心にPaulとDaveという2人のワインメイカーを加えたチームによって造られています。

そして今回僕がこのワイナリーを訪れる事が出来たのはそこでワイン造りを学びながら働いているアンディ・カミンズ(Andy Cummins)との出会いがあったからなんです。彼はラサ・ワイン(Rasa Wines) という名前で自身のワインを造っていて、そのワインは素晴らしいナチュラルワインなんです。まだオーストラリア国内でもほぼ無名ですが僕個人は彼のワインを連続で購入するくらい好きなんです。

アンディのワイン、ラサワインのことはこちらの記事からどうぞhttps://mauvewine.com/rasa-wine/

セラードアとワイナリーツアー。

セラードアの外観。

実は完成したばかりのこのセラードアは創立時の1860年ごろに建てられたワイナリーのオリジナルの建物を元に改装されたものなんです。ですからとても綺麗でありながらも風情のある歴史を感じる建物になっています。

そして一歩足を踏み入れると元々の雰囲気を残した内壁や梁がいい味わいを出していてとても居心地が良い空間となっています。こんなところで試飲をしたらさらに美味しく感じてしまいそうですね。

セラードアの中の様子。

このセラードアは一般開放されているので、このいい雰囲気の中で試飲することも可能です。そして気に入ったものがあれば購入することももちろん可能です。セラードアの営業時間やアクセスの情報はこちらのリンクからどうぞhttps://www.henschke.com.au/experience-henschke/cellar-door/

そして今回、僕は特別に見る事ができたと言いましたが予約を前もってすれば貴重な古木の畑も見れますし、そのブドウから造ったワインも試飲できるようです。もちろんそれは有料になりますがとても良い経験になることは間違いないと思います。ちなみに料金ですが「要問い合わせ」とのことです笑。このVIPツアー&テイスティングと呼ばれる特別なワイナリーツアーの詳細はこちらからどうぞhttps://www.henschke.com.au/experience-henschke/cellar-door/h

家族経営とはいえ小さい規模ではない。

ヘンチキは家族経営のワイナリーです。家族経営と聞くと小規模なワイナリーを思い浮かべると思いますが、過去の記事で紹介したナチュラルワインを造るワイナリーと比べると規模はとても大きいワイナリーです。

でもオーストラリアの本当に大きいワイナリーと比べるとヘンチキは家族経営らしくかなり小さいとも言えます。ちなみにその大きいワイナリーというのは外見も本当に工場のような大きさになりとても比較できない規模になります。

大手ワイナリーであるペンフォールズ(Penfolds) の敷地。完全に工場といった感じ。

ヘンチキは赤ワインを約20種類、白ワインを約15種類造っています。その価格帯は、安いものは店頭価格でAU$25くらいからありますが最高値のものはAU$800を超えます。もちろんビンテージによってはもっと高くなるものもあります。そしてレストランで飲めばその倍くらいします。

幅広い価格帯ですが激安で品質的に微妙なものは造っていなくて比較的安いものでも価格の割には高い品質のものが多いというのが僕の印象です。ヘンチキのラインナップに興味のある方はこちらからどうぞhttps://www.henschke.com.au/store/

畑にこだわり、それぞれの畑のワインを造る。

ヘンチキだけではなくオーストラリアを代表するワイン、ヒル・オブ・グレイス。

それでは今回の訪問で試飲する事ができたプレミアムなワインたちを少し紹介します。

まずは散々名前を出してきましたヒル・オブ・グレイスです。

この樹齢150年を超えるシラーズから造られるワインはオーストラリアを代表するワインです。オーストラリアのワインのことを書いた記事を見るとバロッサバレーのシラーズのことを書いたものをよく見かけます。そしてそのワインは大体フルボディでパワフルなものという書き方を長年されてきています。

しかしヒル・オブ・グレイスのあるエデン・バレー(Eden Valley)はすぐ隣にありながらシラーズはとても柔らかさがありバロッサバレーでよく言われるスタイルとは少し違うと思います。

そしてこのヒル・オブ・グレイスもエレガントさをもった素晴らしいワインだというのが僕の印象です。今回試飲できたのは現在販売されている2013ビンテージだったのですが既に十分素晴らしいワインでした。

ワインメイカーが言うには15年くらい寝かしたいとのことなので、もちろんもっと熟成させた状態で飲みたいというのが正直なところですね。そしてこのワインはAU$800を超えるワインです。

ラベルが無くボトルに直接印字されたヒル・オブ・ローズ。

そしてヒル・オブ・ローズ(Hill of Roses)です。このワインはヒル・オブ・グレイスの区画にある若いブドウから造られたワインです。大体その樹齢は25−30年くらいです。そしてこのワインもAU$400くらいするプレミアムなワインです。

個人的にはこれが1番好きでした。ビンテージもこちらは2012なので一概に比較はできませんがとても素晴らしいワインということには疑いがありませんね。

左からザ・ウィールライト(The Wheelwright)、マウント・エデルストン(Mount Edelstone)の2014と2013ビンテージ。

そして次はザ・ウィールライト(The Wheelwright)です。このワインは樹齢75年以上になるエデン・バレーの南側にあるもっとも冷涼な地区で栽培されたシラーズから造られたワインです。ちなみにこちらはAU$130です。

そしてマウント・エデルストン(Mount Edelstone)。このワインは樹齢100年以上のエデンバレーにある畑のシラーズから造られたワインです。シラーズとしては淡い色合いが印象的でした。Webサイトでもベンチマークと紹介しているとても重要なワインの1つです。ちなみにこちらはAU$225です。

このようにヘンチキは畑ごとの特徴を大事にしたワインをプレミアムレンジに置いています。それは家族が6世代に渡って受け継がれている畑を大事にし、ワイン造りを続けていることへのプライドのような気がします。そしてそのプライドは現在でも高い評価を受け、たくさんの人に愛され続けているのです。

今回のヘンチキの話はちょっと1回では書ききれないので前後編に分けています。後編は畑とワイン造りの施設を紹介しますので合わせて読んでみてください。

それでは今日も最後まで読んでいただきありがとうございました。

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Mauve Wine Co.りょーじでした。

そもそもナチュラルワイン(自然派ワイン)って何が違うの?

どうもMauve Wine Co.りょーじです。

今日はナチュラルワインって何?です。これも以前書いていた古いブログを編集したもので紹介したいと思います。

ナチュラルワインとは?

Copyright by Simon J Woolf

答えから言うと、ちゃんとした定義が無いという事みたいです。法律やどこかの機関によって定められたものが無いのではっきりとは言えないんです。なのでここではオーストラリアでの現状を踏まえての僕なりに勉強したものを交えてお話しします。

まずオーガニックワインナチュラルワインの違いは?上の絵はナチュラルワインの立ち位置を表していて、これを見るとナチュラルワインはオーガニックだけどオーガニックワインはナチュラルワインだとは限らないって事がわかりますよね?

オーガニックワインとの違いとは?

シドニー近郊の世界遺産、ブルーマウンテンズにワイナリーを構えるボブ・コールマンのワインは完全無添加のナチュラルワイン。

僕の好きな造り手でボブ・コールマン(Bob Colman)というシドニーから小一時間のブルーマウンテンズというエリア(全然ワインで知られているエリアでは無いですが彼のワインは美味しいです。ちなみに世界遺産。)でナチュラルワインを造る醸造家が言っていたこんな話があります。ある時、自分のワインをナチュラルワインだと説明している時にお客さんから「あーオーガニックワインね!」と言われて、彼は「オーガニック栽培ではあるけど、それだけじゃ無いよ」と思ったそうです。

それだけじゃ無いって、あと何があるの?って思いますよね。

その理由の中で僕が重視しているのはminimal intervention (ミニマルインターベンション)という言葉です。要は必要以上に人の手を加え無いと言う事です。余計な添加物を加えず自然発酵(野生酵母での発酵)な事、必要以上に濾過、清澄していない事、醸造過程で亜硫酸塩の添加をしていない、また添加する事があっても瓶詰め時の最小限の添加に抑える事などです。

個人的な答えはオーガニックワインはオーガニック栽培だけどこういう造りをしていない。ナチュラルワインはオーガニック栽培(またはそれに近い)でさらにこの造りをしていると言う事です。

(※念のために言いますが、別にオーガニックワインは悪いという事では無くて、僕が個人的にナチュラルワイン贔屓なだけだと理解してもらえたら嬉しいです。)

ビオワインとナチュラルワイン(自然派ワイン)

そして日本にはビオワインという言葉もありますね?その話をすると今度はビオディナミという言葉も出てきます。そのビオディナミについてはビオワインの事と合わせて別の記事にしてありますのでこちらのリンクを参考にしてくださいhttps://mauvewine.com/biodynamic

ナチュラルワイン(自然派ワイン)といえば個人的にはオレンジワインがまず思い浮かびます。

細かい話をすると色々ありますが大体こんな感じです。もっと色々こだわった人も居ますし、違いもあります。でも個人的にはこんな曖昧な感じのところも好感が持てるんです。別に人がわざわざきっちりこうじゃなきゃダメ!なんてすることないですよね? キチッとしすぎない事がまたナチュラルでいいんじゃないかなって思います。

そうそう、今回素晴らしい絵を使わせてくれたSimonに興味のある方はぜひinstagramのhttps://www.instagram.com/amber_revolution/?hl=jahttps://www.instagram.com/themorningclaret/?hl=ja

そして彼のwebサイトのhttp://amber-revolution.comhttp://themorningclaret.comを見てみてください。また英語ですがamber revolution という面白そうな本もあるようなので興味があれば参考にしてみてください。

それでは今日も最後まで読んでいただきありがとうございました。今後もまたワイナリーの話をしながらこういう記事も織り交ぜていきますのでまた読んでくださいね。

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Mauve Wine Co.りょーじでした。

ナチュラルワインをさらに楽しむための厳選用語その2、ビオディナミ(Biodynamic)

どうもMauve Wine Co.りょーじです。

今日はナチュラルワインを楽しむための用語その2を前に書いていたブログの記事を編集して出してみました。そして内容はナチュラルワインの話で外せない『オーガニック』。それと関連した『ビオ』という言葉。そして今回のテーマの『ビオディナミ』の話をしたいと思います。

South Australia(サウス・オーストラリア州のSmallfryのワイン。他にもいっぱいあるけどオーストラリアのビオディナミと言えば僕はまずここが思い浮かびます。

まず、ビオディナミとは何なのか?めちゃくちゃ簡単にいうとオーガニック農法の一つの種類です。ちなみに英語圏のオーストラリアではBiodynamic(バイオダイナミック)といいます。

あと『ビオワイン』という言葉もありますよね?よく日本の人から聞く言葉なのですが、僕はこっちではあまり聞いた記憶がない言葉です。ではその『ビオ』とはどういう意味なのか?ビオとはビオディナミとビオロジックを指す言葉です。どちらも農法の名前です。まずビオロジックとはオーガニック農法の事です。そしてビオディナミもオーガニック農法の一つですね。ということはビオワインとは有機農法で栽培されたブドウで造ったワインでナチュラルワインもあるけどそうでないものもあるということですね。

その辺の事は別の記事でも書いていますのでそちらも合わせてどうぞ→https://mauvewine.com/what-is-naturalwine

ナチュラルワインではないがオーストラリアを代表するワインを造るヘンチキ(Henschke) もビオディナミで栽培している。ちなみに写真の古木は樹齢150年を超える貴重なもの。

ではビオディナミを掘り下げてみましょう。このワード、書き出すとかなり長くなるので僕のいかにシンプルに伝えるかというテーマに反しないようになるべく簡単にします。

まずは何度も言いますがビオディナミとはオーガニック農法の一つです。オーガニック農法とはシンプルにいうと、殺虫剤や殺菌剤、除草剤などの化学的な農薬と化学肥料を使用しない栽培方法(とは言っても実は認証を取る上で認められていて使用されていることは結構あるのですが)です。

ビオディナミもその基本は変わらないのですが、さらに星の位置を記した種まきカレンダーを使用してそれに則って栽培するというのが大きな特徴です。

要は宇宙というか月の力などが動植物に作用してブドウの生育に影響を与えるので、その力を利用して栽培をするという事です。一見オカルトのような内容に思えるかもしれませんが、例えば満月の日と新月の日では確実に夜の明るさ(現代では電気の灯りで実感はできないかもしれませんが)は違います。それが日差しの強い弱いのようにブドウの生育に影響を与えると言っても不思議ではないですよね?

これ以外にも特殊な肥料のような物を使用したりもしますがここではやめておきます。このブログはナチュラルワインを楽しむためのものとしてやっていきたいので皆さんにあまりワインを難しく考えて欲しくないんです。なので大体こんな感じで捉えてもらってまずはワインを楽しんでください!

そして興味のある方はもう少し掘り下げて調べてみると良いと思います。そういうところからワインてハマっていくのだと思います。

ビオディナミの事、大体わかっていただけましたか?わかりずらいと思ってナチュラルワインを敬遠しないでくださいね笑。ワインはまずは美味しく楽しむべきですけど、こういう事を知るとまた一段とワインを飲んだり選んだりするのが楽しめると思うんですよね。

それでは今日も最後まで読んでいただきありがとうございました。今後もまたワイナリーの話をしながらこういう記事も織り交ぜていきますのでまた読んでくださいね。

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Mauve Wine Co.りょーじでした。

南オーストラリア編、旅の目的地その6。 ウニコ・ゼロ(Unico Zelo)。

どうもMauve Wine Co.りょーじです。

今日で南オーストラリア編はその6となりました。ワイナリーを巡ってる時はあまり回れていないと思っていたのですがこうして記事にすると結構回っていたことがわかりますね。

今日紹介しますウニコ・ゼロ(Unico Zelo)ブレンダン・カーター(Brendan Carter)とは今回南オーストラリアに行くことを連絡したのですが、その日彼はシドニーに来るようで入れ違いになるという残念な結果となってしまいました。

それでもワイナリーは開いているし、他のスタッフに聞いて施設を見たらいいと言ってくれたので予定通り訪れる事にしました。

外観から既にオシャレ感が出ている。

ワイナリーの外観。この中がワイン造りをするスペース。これまでのワイナリーと比べるとかなりおしゃれ。

着いて最初の印象は「オシャレ」。ここも建物の造りはトタン張りでシェッド(直訳は小屋)といえばシェッドなのですがブランドロゴがカッコよくデザインされ今回訪れた他のナチュラルワインのワイナリーと一線を画すものでした。

左手は煉瓦造りでセラードアとオフィスがあり、建物の奥に熟成をするためのスペースとジンなどを造る蒸留スペースがある。

小規模ながら設備の充実したワイナリー。

トタン造りの建物の内部。ステンレスタンクがこれまでのワイナリーと比べるとかなり沢山の量が並んでいる。それでもオーストラリアのワイナリーでは十分少量生産と呼べる規模。

これまでの記事を見ていただいた方なら一目で違いがわかると思いますが確実にスペースに対してタンクの数などの設備がとても充実しているのがわかると思います。

今回訪れたアデレードヒルズエリアのワイナリーと比較すると、とても設備も新しくワインを造るためにちゃんと作られた施設という印象です。ぜひ過去の記事を見て比較してみてください。

正直なところ一般的なワイナリーはこう言った作りの場所が多いかもしれません。しかもここは一般に開放されているセラードアがありワインの試飲や購入も可能です。

一方、南オースオーストラリア編その1からその5で紹介してきたワイナリーは同じアデレードヒルズでもバスケットレンジというエリアとその近くにあり、ウニコゼロのある地区からは少し離れています。そしてそれらのワイナリーは基本的に一般開放されていないので例え訪れても基本的に見学や試飲などはできません。この時点でだいぶ違いがあることがわかります。

スタッフもこの時期に関わらずワイン造りだけで4人はいる。オフィススタッフもいるので明らかにナチュラルワインのワイナリーとして考えると規模は大きい。

そしてこのウニコゼロは蒸留の設備もあり、オーストラリアでも最近は盛んになってきていて、日本でも流行ってきているジンなどをアップルウッド(applewood)というブランド名で造っています。

このようにウニコゼロはこれまで紹介したワイナリーのように自然に寄り添ってワインを造っていてその先で彼ら自身やワインのスタイルなどが評価されているワイナリーとは違い、新しいアプローチをしていてそこにスタイルがありその一環としてナチュラルワインを造っているという印象を受けました。

しかし彼らの取り組みはこれだけでは無いのです。もう少し下の方でまとめて紹介させてください。

こんな大きな樽もあり、設備はかなり揃っている印象だった。

色々なスタイルを取り入れた醸造。

こちらはアンフォラと呼ばれる陶器の発酵槽。この日はちょうど8ヶ月スキンコンタクトをしたワインをプレスして果皮と分ける作業をしていた。

この写真ではアンフォラという陶器の発酵槽を使ってワインを造っている様子が伺えます。これはナチュラルワインを造る上では珍しいものではなく昔から使われているもので、ヨーロッパでは地域によってはとても盛んに使用しているエリアもあります。

ただ、オーストラリアにおいてはそれほど多くはなくナチュラルワインメイカーだけに絞ってもかなり少数だと思います。ウニコゼロはこのようなものも積極的に使いますし、ワインの造りにおいてもユニークなものを生み出しています。

ワインのみをポンプで汲み上げた後の果皮。これからプレスをかけてさらにワインと分けられる。

そしてウニコゼロはバスケットレンジのワイナリーなどど比べるとやはり規模が大きいと感じました。それはまず働いているスタッフがとても多い事です。もちろんオーストラリアの一般的なワイナリーと比べたら小規模ですが今回の旅で巡ったワイナリーのほとんどがその本人と家族のみだったり、いてももう1人くらいだったのでどちらが良い悪いという事ではなく、ビジネスのスタイルとして少し違うものなんだと思いました。

ポンプで汲み上げた直後のオレンジワイン。

イタリア系品種へのこだわり。

そしてウニコゼロの特徴として忘れてはいけないのはイタリア系品種を好んで使っているところです。最近では結構増えてきていますが元々オーストラリアではフランス系品種が主流でほんと数年前まではイタリア系品種は本当に珍しかったんです。

僕が初めてウニコゼロのワインを見たのは2014年の事です。その頃はイタリア系品種は本当に少なかったと思います。そしてナチュラルワインなのに値段も小売でAU$20くらいという驚きのもので、自分のお店でワインリストをほぼナチュラルに変更していた僕からすると価格帯をちゃんとリーズナブルな所から提案できたので本当に助けられました。

新しいアプローチとスタイル。

オシャレなセラードアのカウンター。煉瓦の内装とコンクリートの床がとてもいい感じ。

この写真のように建物内部はとてもスタイリッシュです。もちろんワインは素晴らしいですがそれだけではなくウニコゼロは少しファッション的な要素も入っていてそのワインとブランドをちょっとオシャレなものにすることができているように思います。

これはとても良いことだと思います。もちろんワインをおざなりにして見た目だけに走ってしまっては本末転倒ですが、ウニコゼロはワインもとても良いものを造っていますし、それを買いやすい値段で提供することにも力を入れています。

やはり買いやすい値段で少ししか高いワインと比べて遜色のないものだったら手軽に楽しむことができますし、あまり安い物の無いナチュラルワインは少し贅沢品に感じる人からしてもとても助かりますよね。

セラードアの奥はオープンなオフィススペース。メンバーもみんな若くワイン造りだけでは無くデザインを専門とする人などもいてとてもいい仕事環境だった。

”ハーベスト”という素晴らしい取り組み。

そしてもう1つの大事な取りくもとしてウニコゼロはワインのレーベルとしてハーベスト・バイ・ウニコゼロ(Harvest By Unico Zelo)というものも出しています。このハーベストは地元の農家を支援するために作られたレーベルです。

地元の農家から買ったものでワインを造って販売し、その一部を農家に還元するというものです。もちろんそのワインも適当に造ったものではなく、買いやすい値段でウニコゼロらしさちゃんと持ったものです。

このようにウニコゼロはナチュラルワインを造って売るだけではなく地元の農家を支援する活動も行なっているのです。そのためにここまで書いてきたようなブランド力を高めるようなオシャレなアプローチをしたり、ある程度の生産量をキープするための設備などに力を入れているのだと思います。

そう考えるとウニコゼロの取り組みはとても魅力的に見えてきませんか?しかも質の高い美味しいワインもちゃんと造っている。上の方では僕自身も文章が彼らに対して否定的になってしまっているような感じがしたのですがここまで読んでもらえたら皆さんの印象もとても良いものになっていると思います。

アメリカの電気自動車メーカーであるテスラの充電器も備える駐車場。

そしてもう1つ、今回はこのテスラの充電器にも驚かされました。テスラはアメリカの電気自動車メーカーです。そしてこれは同社が提供する急速充電器で今では世界中でとても数が増えていますが田舎ではほぼ目にしません。

それをワイナリーの駐車場に設置しているあたりとても目の付け所が違うなと思いました。環境を気にする方で電気自動車に乗る方は多いでしょうし、ナチュラルワインメイカーも環境に配慮していますからこれはとても良いアイデアですね。

正直この充電器を設置する時にテスラ社とどういう契約があるのかはわかりませんが僕自身はこれを見た時にウニコゼロの印象はさらに良くなりました。

ウニコゼロのワイン。

ウニコゼロのワイン。これは前回シドニーでブレンダンと会った時に試飲したもの。

最後に今回の旅ではワインの写真は撮ってないのですが、その少し前にシドニーでブレンダンに会った時に撮った写真でワインの紹介をします。

左の3本はウニコゼロの定番のラインで価格もAU$21くらいでとてもリーズナブルです。個人的にもとても好きで愛飲しています。

そしてその隣の2本はもう少し価格も上がりますがクオリティもその分高く、ウニコゼロの本気を見ることのできる素晴らしいワインです。そして価格は左からAU$35、AU$50くらいです。ちなみに右側のものは日本では¥6000くらいするようです。

そして写真には無いのですが地元の農家を支援するワインのハーベストがあります。ちなみにこちらは定番のものと変わらずAU$21くらいです。ちなみにこのハーベストはイタリア系品種を得意とするウニコゼロなのにフランス系品種が中心となっています。

最後に。

ウニコゼロ、いかがでしたか?ここまで書いてきたワイナリーと比べるとだいぶ印象が違ったと思います。誤解の無いようにしておきたいのですが、その5までのワイナリーもいろんな形で地元との結びつきを大事にしていて、沢山の還元もしていますのでそこは勘違いしないでください。

ただウニコゼロはビジネスとしての力の入れ方が違う気がします。そしてそれを生かして地元の農家にも還元しようということが見えるワイナリーでした。このようにナチュラルワインと一筋に言っても色々な取り組みがワインに対してもビジネスに対してもあるんだなと今回の記事で改めて知ることができました。

ブレンダン・カーター

まだまだこれからも色々と紹介して皆さんにも楽しんでいただき、自分にも新しい気づきがあると良いなと思っています。

それでは今日も最後まで読んでいただきありがとうございました。また次回も読んでくださいね。

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Mauve Wine Co.のりょーじでした。

南オーストラリア編、旅の目的地その5。異色の経歴を持つ醸造家、ジェントルフォーク(Gentle Folk)のガレス・ベルトン(Gareth Belton)

どうもMauve Wine Co.りょーじです。

南オーストラリア編もなんだかんだでその5まで来ました。1泊2日の旅でしたがまだネタはありますのでもう少しお付き合いください。そして今日は個人的にも大好きなワイナリーの1つジェントルフォーク(Gentle Folk)です。

ジェントルフォークの醸造家であるガレス・ベルトン(Gareth Belton)はいつもとても良くしてくれていてアデレードヒルズに来る時はうちに泊まれと言ってくれます。今回はガレスが北米へ行っていて、僕がシドニーに帰る日に彼が戻ってくる予定だったので残念ながら泊めてもらう事はできませんでしたがなんとか最後に会う事ができました。

そんな長いフライトで疲れている状況にも関わらず彼はとても歓迎してくれ、さらにはこちらの帰りのフライトの時間まで気にかけて調整してくれるという神対応ぶりで本当にありがたかったです。

元海藻学者という経歴の持ち主。

鶏を飼ってその卵を食べる。そんなナチュラルワインメイカーの生活は都市部で生活する者からするとやっぱり惹かれるものがある。

ガレス・ベルトンは元々海藻を専門とする海洋生物学者という変わった経歴を持っています。これは彼を紹介する時によく言われているので日本でもオーストラリアのナチュラルワインを好きな人の間ではとても有名な話になっています。

そして彼の義理の兄でマウント・ガンビア(Mt Gambier)でナチュラルワインを造るリムスワイン(Limus Wine)のカイアット・ディクソン(Kyatt Dixon)も実は元海藻を専門とする学者です。今回はガレスの話なのでカイアットの話はまた別の記事で紹介します。

カイアットのリムスワインの記事はこちらhttps://mauvewine.com/limus/


3週間留守にしていたからか他のワイナリーと比べるととても整然としたワイナリーの中。建物は定番のシェッドスタイル(直訳すると小屋)。でもかなり大きくゆとりのあるスペースだった。

ガレスはオーストラリアのナチュラルワインを語る上で外せない人物でアデレードヒルズのバスケットレンジがオーストラリアのナチュラルワインの聖地のような扱いを受けるきっかけをつくったルーシーマルゴー(Lucy Margaux)のアントン・ファン・クロッパー(Anton Van Klopper)ヤウマ(Jauma)のジェームス・アースキン(James Erskine)と出会う事によってワイン造りのキャリアをスタートをさせます。

過去に書いたヤウマのジェームス・アースキンの記事はこちらhttps://mauvewine.com/jauma-vol1

僕が日本語の記事をインターネットで見るとルーシーマルゴーのアントンの所で働いていたという内容の記事が多いというか全てがそうだったのですが、今回ガレスにその話を聞くと実はほとんどの時間をヤウマのジェームスとワインを造っていたと話してくれました。アントンの所も手伝っていたようですがジェームスとの時間の方が全然多かったようです。

影響を受けたオーストラリアの醸造家たち。

今回の旅で訪問した他のワイナリーと比べると樽がたくさん積まれていた。運よくこの樽のほぼ全てを試すことができた。

そんなガレスと話をする中で彼のワイン造りに影響を与えた醸造家を教えてくれました。まずは同じエリアの醸造家の中からオコタバレルス(Ochota Barrels)のタラス・オコタ(Taras Ochota)ビーケーワインズ(BK Wines)のブレンダン・キース(Brendon Keys)、そして公私共に仲が良いと言うヴィクトリア州はギップスランド(Gippsland)パトリック・サリヴァン(Patrick Sullivan)から受けた影響は大きいと言っていました。もちろん最初きっかけとなったアントンとジェームスからの影響も大きいはずです。こんな彼らの影響を受けたというジェントルフォークのワイン、絶対に間違いないですよね!

ワイナリーの前の景色。この起伏の激しい地形がいかにもアデレードヒルズっぽい。

影響を受けているワイン産地。

シドニーでの試飲会の時の1枚。いつもおしゃれなラベルはガレス自身が描いたもの。

そして違う国のワイン産地からも、もちろん影響を受けています。フランスのジュラやブルゴーニュのワインが好きだというガレスはシャルドネとピノ・ノワールにおいてその特徴を意識しているスタイルのキュベを造っています。そうしたワインはかなりの少量生産なので海外に出る本数は少ないと思うので日本に輸出されているかはわかりませんが個人的にはとても素晴らしいと思うワインの1つです。(上の画像の真ん中はブルゴーニュを意識したというピノ・ノワール)

しかしあまり自分のワインを決まったスタイルと定義することを嫌うのでブルゴーニュっぽいとかジュラっぽいスタイルと呼ぶ事は好まず、それをイメージしていてもそれらはあくまでアデレードヒルズのワインなんだというあたりはとても彼らしくて僕はとても好感が持てるのです。

疲れているはずなのに温かく迎えてくれる人間性。

ガレス・ベルトン(Gareth Belton)。別れ際に自宅前で撮影。

今回の訪問で北米から帰ったばかりで疲れているにも関わらず、約1時間半たっぷりと話を聞かせてくれたガレスには本当に感謝です。上の方の画像で写っている沢山の樽とタンクの中で熟成中のワインもそのほとんどを試飲させてくれ、説明もしっかりとしてくれて本当に沢山の学びを得ることができました。

さらに最後には部屋は空いているから次来るときは泊まっていけといつものように言ってくれるガレス。最高のワインを造り、人間性まで素晴らしい彼に会うため近いうちにまた訪れようと思うのでした。


結構続いています南オーストラリア編ですが、あと3回くらいを予定しています。バスケットレンジで知られるアデレードヒルズのワイナリーは今回で最後になります。

それでは次回もぜひ読んでくださいね。今日も最後まで読んでいただきありがとうございました。

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Mauve Wine Co.のりょーじでした。

南オーストラリア編、旅の目的地その4。ボラチオ(Borachio)、ヤウマのアシスタントであるマーク・ワーナー(Mark Warner)が造る注目のワイン。

どうもMauve Wine Co.りょーじです。

今日は前回の記事でヤウマのワイナリーを案内してくれたマーク・ワーナー(Mark Warner)がその場所で造っている自身のワイン、ボラチオ(Borachio)を紹介したいと思います。

マークが案内してくれたヤウマの記事のリンクはこちらhttps://mauvewine.com/jauma-vol2

即完売の極少量生産の人気ワイン。

奥に見える樽から取った同じピノグリを使って造られた2種類の違うワイン。左はスキンコンタクトをしているためピンク色をしている。右はまだ発酵途中のため濁っていると説明していた。

ボラチオのワインが本格的にシドニーで出回ったのは僕の知る範囲では2017年10月くらいの事です。今は無くなってしまいましたがシドニーが世界に誇るナチュラルワインのイベントであるルートストック(Rootstock)の2017年が開催される少し前の事でした。

マークはヤウマのプロモーションでシドニーに来た際には僕の職場にも寄ってくれていたので彼自身のワインがリリースされたことは僕にとってとてもエキサイティングなニュースでした。

ヤウマのアシスタントが同じ場所で造るわけですから似たようなスタイルになるかと思いきや、ナチュラルな造りで亜硫酸塩無添加にこだわりを持っている所はヤウマと同じですが、使用するブドウの品種は違うし、アプローチもかなり違う独特なスタイルを持っているので、全く別物のワインだと誰もが思うと思います。

そんなワインは最初にリリースした時も割と早く売り切れてしまいましたが、2018年のリリースは本当にあっという間に注文できなくなってしまい一気に知名度が上がった印象です。来月あたりにはまた新しい種類も出るようなのでそちらにも期待したいと思います。

シャルドネが重要な品種。

ヤウマのワイナリーの奥のスペース。入るのも一苦労なくらいぎっちりと樽が並んでいます。

ヤウマのジェームスは重要な品種はシュナンブランとグルナッシュだと言っていましたが、マークはシャルドネを重要な品種だとこの時は言っていました。2017と2018を比べても品種の違いが大きいのでまだ彼自身模索している所だとは思いますがグルナッシュとシュナンブランは今の所見当たらないので行き着く先はヤウマとは違うところになりそうです。

個人的には今現在も使用しているピノ・ノワールとピノ・グリ、そして彼自身が力を入れているというシャルドネに期待しています。そしてソーヴィニョン・ブランやオーストラリアでは珍しいサヴァニャンを使ったオレンジワインもとても好きだったのでこれにも期待しています。

マークにとって重要な品種だというシャルドネの樽。この樽はフロール(産膜酵母)が浮いていたので試飲は無しに。その隣の樽のシャルドネを試飲しましたがこの時の状態では正直まだ飲み頃ではありませんでした。

無造作に置かれたガラス容器で熟成中のワイン。光もしっかりと当たっていてナチュラルワインに興味の無い方からしたらありえない状態ですね。

ワイン醸造家マーク・ワーナー

マーク・ワーナー(Mark Warner)とパートナーのアリシア・バサ(Aricia Basa)

そんなマークは元々シドニーで音楽活動をしていたそうです。3年程会社勤めもしつつ、ある時会社を辞める口実として南オーストラリアにワインを造りに行くために2、3ヶ月の休暇を取りたいと言い、そんな休暇は取れないという事で退社してそのまま今の仕事をしているという嘘のようなエピソードを話してくれました笑。

そんな彼の嘘のような行動があるから今こんなに美味しいワインが飲めるので感謝しないといけませんね?

マークのパートナーであるアリシアもボラチオには欠かせない存在です。元々シドニーで Webデザイナーだった彼女はワイン造りを手伝いながら今でもその仕事を続けています。ヤウマとボラチオのWebサイトはどちらも彼女が手がけています。

そしてボラチオのラベルのデザインはアリシアの妹の作品です。とても特徴的な動物をアニメっぽくデザインしたユーモアのあるデザインと、とても綺麗な花のイラストはどちらもボラチオのワインには欠かせないものとなっています。

ボラチオのワイン。デザインはマークのパートナーであるアリシアの妹が手がける。写真はシドニーで行われたナチュラルワインイベントWet Dreams2の時のもの。Wet Dreams2の詳細記事はこちらのリンクからどうぞ→https://mauvewine.com/wet-dreams-2vol1

そんなマークは今でもヤウマのワイン造りをジェームスと一緒にしています。ヤウマで働きながらなのでしばらくその量は少ないままだと思いますがこれからがとても楽しみなワイナリーの1つであることは間違いありません。

おそらく日本にも輸出が始まっているはずなのでこれから目にすることがあると思います。もし見つけた時は是非飲んでみてください!日本に入っている量はかなり少ないと思いますので次行った時には無いと思いますよ。

まだまだ南オーストラリア編は続きますので次回もぜひ読んでみてください。今日も最後まで読んでいただきありがとうございました。

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Mauve Wine Co.のりょーじでした。

南オーストラリア編、旅の目的地その3。ヤウマ(Jauma)のワイナリーをアシスタントのマーク(Mark)と訪問。

どうもMauve Wine Co.りょーじです。

今日はようやく南オーストラリア編のその3という事でヤウマ(Jauma)のワイナリー訪問の話をしたいと思います。

その2で書いたのですが僕が訪問した日はヤウマのオーナーであるジェームス・アースキンは新しく購入した自宅兼チェリーファームにいたので、ワイナリーではなくそちらに会いに行きました。その時の記事を先に読んでいただいた方がより楽しんでもらえると思います。

ヤウマのワインとジェームスの話はこちらのリンクからどうぞhttps://mauvewine.com/jauma-vol1

という事でこの記事はアシスタントであり、自身のワインであるボラチオ(Borachio)の醸造家でもあるマーク・ワーナー(Mark Warner)に案内してもらった時の写真でワイナリーの雰囲気と行かないと見れない特別なものをお届けします。

看板はもちろん無い。

ヤウマのワイナリーの外観。このエリアでは定番のシェッド(直訳すると小屋)スタイル。日本で見たら木材を扱っている感じの場所にしか見えない笑。

その2の時に書いた通り湿度のためにラベルが貼り付かないという事でボトリングは中止になり、この日はほぼ作業が無くなったようです。そしてランチのために訪れたサマータウンアリストロジスト(Summertown Aristologist)でマークと会い、ワイナリーの場所を確認して1度別れました。(このランチの模様も別の記事で書きますのでお楽しみに)

言われた通りの住所を地図アプリに入力して向かうと予想通り何の看板もなくマークの車が前に停まっていなければ素通りしてしまう所でした。到着するとやっぱりと言わんばかりのシェッドスタイル(直訳すると小屋)。観光を意識したワイナリーと比べると全然違いますね。でも個人的にはこんな所も魅力なんです。

いい感じに古い雰囲気を醸し出している建物。この時は熟成のための樽などが収まっていました。

正直な感想は山の中の古い工場みたいな感じです。でも上の写真のような煉瓦造りのいい感じの古さの建物もありました。そして小さな谷側に緑もあってとてもいい感じの田舎の景色が広がっています。

シェッドの内部。この日はボトリング予定だったのでその機械と梱包用の箱が並ぶ。施設の大きさの割にここのタンクはかなり大きい。

設備は以前に書いたジ・アザーライトと建物の種類は同じ感じでサイズはこちらの方がだいぶ大きく、そして貯蔵用のスペースは結構ありました。とは言ってもヤウマも一般的なワイナリーと比べるととても少量生産のワイナリーです。

ちなみに以前書いたジ・アザーライトの記事はこちら→https://mauvewine.com/the-other-right

未舗装道路を挟んでワイナリーの反対側は小さな谷になっている。写真ではこぢんまりと見えるが実際はもう少し広く感じる綺麗な景色だった。

普段は絶対見られない過去のビンテージ。

セラースペースにあった過去のビンテージたち。見た事が無いボトルがたくさんある。

その後、奥にあるセラースペースを見せてもらったのですが写真のようなレアなものから割と最近のものまでランダムに並べられていていちファンとしてはとてもテンションが上がりました。

これも全く見たことがないボトル。もっと他のものも写真に撮っておけば良かったと後悔。

今回の訪問ではオーナーであるジェームスがいなかったので頼めませんでしたが次回はできるものなら少し買いたいと聞いてみたいと思います笑。

上の写真の裏ラベル。まさかの2010年ビンテージで
500mlボトル。しかも産地がマクラーレンヴェールやその地区名ではなく、ピカデリーバレー(Piccadilly Valley)というアデレードヒルズの地区が書いてある。

ボトリング予定だったワインたち。

”無理しないで”の梱包用の箱。

上の写真は日本のヤウマファンの方にはお馴染みの2018ビンテージ”無理しないで”の空き箱です、この日ボトリング予定だったワインというのは実はこれだったんです。

ボトリングまでしたがラベルが貼り付かなかった2018ビンテージのヤウマ”無理しないで”。今回のビンテージは結構濃いめなオレンジ具合。コルクはボラチオのもの。

知らない方からすると何で日本語?って思いますよね?このワインは実は日本に特別な想いのあるジェームスが日本のために造ったワインなんです。存在自体は日本の方のインスタなどで知っていましたが、オーストラリアではこれまで出回っていなかったので今年の5月に2017ビンテージが販売されるまでは見たことがありませんでした。ちなみにこちらでは”Why Try So Hard?”という名前で売られています。

この時にボトリングされなかった”無理しないで”が熟成中のタンク。ピンボケしてしまってすみません。右側はマーク・ワーナー。

極少量生産の貴重なワインたち。

2018ビンテージRalphsを熟成中のタンク。2017ビンテージはオーストラリアでは65ケースのみのリリース。

続いて別のスペースではタンクやガラス容器の中で熟成中のワインを見せてもらいました。ここにあるワインたちは元々少量生産のヤウマの中でも更に少量しか造られていないワインばかりです。基本的には店頭に並ばないものもあるので僕のようなヤウマファンにはヨダレものです。しかも今回は全部試飲させてもらい、更に1本未発売のものも分けてもらうことができました。

ガラスの容器で熟成中の2018ビンテージ”Tullah”。2017ビンテージはオーストラリアで10ケースのみのリリース。おそらく輸出もほぼしていないとても貴重なワイン。ちなみに僕が今年、個人的に購入したボトルは1本だけなので飲むのを躊躇してしまっている。

このように今回の訪問ではとてもゆっくりと見せてもらい色々な話をしながらとても良い経験ができました。もちろんこのあとはマークが造るボラチオも見せてもらったのでその模様は次回の記事で書きたいと思います。

ぜひ次回のボラチオも読んでくださいね。今日も最後まで読んでいただきありがとうございました。

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Mauve Wine Co.のりょーじでした。

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