必読!!オーストラリアの主要ワイン産地。かなりの主観、個人的好みで紹介。まずはこれを読んでリアルなオーストラリアのワインを知ろう![後編]
どうもMauve Wine Co.のりょーじです。
今回の記事は前回に引き続きオーストラリアのワイン産地のお話です。
前回紹介した南オーストラリア州とヴィクトリア州は僕の感覚としては特にワイン造りが盛んな地域です。
念のために言うとこれはほぼ僕の主観で、調査結果で出る生産量や順位などのデータとは一切関係ありません。僕自身がちゃんとワイン(もちろん高いと言う意味ではないですよ)を造っていると思えるワイナリーだけを対象にしたものですのでそのあたりをご理解いただければと思います。
僕はオーストラリアでワインを仕事にしていて好き嫌い関係なく、シドニーで行われる試飲会には大小問わずほぼ参加して、年間多分1500種類くらい(多分もっと)のワインを試飲をしています。
そんな僕がそれぞれの産地にどう言う印象を持っているのか?というのがこの記事です。
もしまだ前編を読んでいない人がいましたらこちらからどうぞ→https://mauvewine.com/wine-region/
では後編行ってみたいと思います!
広すぎる西オーストラリア州
後編でまず紹介するのは西オーストラリア州です。日本の媒体で見るとあまり盛んではないように読めてしまう記事が多かったのですが、おそらく州の面積が広すぎるために産地の面積を州の面積の割合で見ると、とても少なく感じるからではないでしょうか。
下の地図で見てもらうとわかりやすいですね?実は南オーストラリア州もかなりの限られたエリアに見えますがやっぱり西オーストラリア州と比べると全体の面積が違いすぎますね。
オーストラリア国内で仕事をしていると比較的上質なワインを造る印象を受け、価格も安価なものが少ないイメージがあると思います。でも実際は安価なものもちょこちょこあるのが西オーストラリア州です。
有名産地でいうと絶対的にマーガレットリバー(Margaret River)です。パースから南に3時間くらいの距離にあるこのエリアは西オーストラリア州の話をする上では外せない産地です。
有名なワイナリーがいくつもあってオーストラリアを代表する産地の1つと言ってもいいくらいの産地です。
また日本の媒体で見ていると良く名前の上がっていたスワンバレー。ここはパースから近いから紹介されてるのでは無いかというのが僕の印象です。
正直あまりわかっていないエリアなので偉そうなことは言えませんが、州を代表する産地かと言えばそうでは無いと思います。そして僕の大好きなナチュラルワインという点で見るとあまり目立つ存在では無いので少し興味が薄れるというのが僕の印象です。
マーガレットリバー以外の産地でおすすめは?というと更に南東に下った場所にあるグレートサザン(Great Southern)。このエリアが僕の中では一番です。
僕の大好きなナチュラルワインの造り手がいるからというのもありますが、ナチュラルでは無くても個人的に好きなワイナリーがいくつか浮かぶちょっと贔屓にしているエリアと言えるのがグレートサザンです。
西オーストラリア州の主要品種。
それでは品種の話に行きましょう。
西オーストラリア州の主要品種は産地ごとに結構異なります。
まずマーガレットリバーはフランスのボルドーと気候が似ていると言われていてその造りの影響を受けています。そしてボルドー品種の代表であるカベルネソーヴィニョンはここを代表する品種でもあります。
そしてボルドーと同じようにソーヴィニョンブランとセミヨンのブレンドが多くみられるのもこの産地の特徴の1つです。実際そのブレンドはオーストラリアの他の地域ではあまり見られません。
しかしマーガレットリバーを代表する白ワインは実はシャルドネなんです。この産地のシャルドネは国内ではかなりの高い評価を受けていて個人的にはプレミアムなワインの印象があります。
ボルドーの影響と言っておきながらここではブルゴーニュを代表するシャルドネが出てくるあたり、とても自由でオーストラリアらしくていいですね。
次に僕のおすすめエリアのグレートサザンではリースリングが秀逸です。南オーストラリア州のクレアバレーは知られた存在ですが個人的にはドライ過ぎるものが多いです。しかしこのエリアのリースリングはドライですが果実味もしっかりあるものが多いのでかなり好みなんです。
赤ワインだとピノ・ノワールも好きなものが多いです。マーガレットリバーにもありますがやっぱり冷涼な気候に適していると言われるピノ・ノワールは南極に近くなるグレートサザンの方が良いものに会える確率は高いように思います。
そして僕はマーガレットリバーのシラーズはあまり好きでは無いのが多いのですがグレートサザンのシラーズ(またはシラー)は好きなものがたくさんあります。
あとオーストラリア国内では珍しい品種、シュナンブランを造るワイナリーも結構あるのは西オーストラリア州の大事な特徴の1つです。
意外と産地の多いニューサウスウェールズ州
そして、次は僕の住むシドニーのあるニューサウスウェールズ州です。
ここでは首都キャンベラのあるエリアも含めてお話しします。
地図で見てもらうとニューサウスウェールズ州は多くのワイン産地があるように見えますね。ただ注意してもらいたいのは価格を重視した大量生産のワインを多く造るワイナリーのあるエリアが結構含まれている点です。
ですから今回の記事の僕がおすすめをするエリアという点で見るとニューサウスウェールズ州はもう少し白いエリアが増えてしまいます。
このように言ってしまうとニューサウスウェールズ州は魅力のない州のように聞こえるかもしれませんがもちろんたくさんの素晴らしい造り手がいるのも事実です。
それではこのエリアの僕のおすすめの産地を紹介します。
まずあげるのはやっぱりハンターバレーです。オーストラリアのワイン産地で最も長い歴史を持つと言われている産地ですから外せませんね。
ただ個人的な印象としては何箇所か大好きななワイナリーはありますが、それらを除くと知名度やワイナリーの数の割には魅力的な場所は少ないです。
シドニー近郊ということもあり観光地として開発されていることもあって観光客を意識しているワイナリーが多いといつも感じてしまいます。
じゃあどこがおすすめかと言うと、首都キャンベラ周辺とその西側にあるタンバランバ周辺です。あまり紹介されることは少ない産地ですが素晴らしいワイナリーが点在しています。
僕の大好きなナチュラルワインだけではなくオーストラリア国内では有名な質の高いワインを造るワイナリーもあり、オーストラリアワインを知っている人なら納得してもらえるおすすめ産地だと思います。
そしてここ以外にもピックアップするならオレンジ(Orange)とサザンハイランド(Southern Highland)も抑えておく事をおすすめするエリアです。
ニューサウスウェールズ州の主要品種。
それではニューサウスウェールズ州の品種のお話をしましょう。
まず最初に思い浮かぶのはハンターバレーのセミヨンです。
これは歴史もあり、「ハンターセミヨン」というのは1つのブランドになっています。とても人気も知名度も高い代表的な品種です。造っている生産者も多いのでここではとてもよく見かけます。ただし、他の産地に行くと100%セミヨンというのはほとんど見かけないワインです。
そしてハンターバレーではシラーズも有名です。
南オーストラリアと比べると優しい印象のものが多くどちらかというと僕好みです。しかし産地のところで書いたようにいいものを造っているところは限られてくるという事もお伝えしないといけないポイントです。
その他の地域で言うとキャンベラ、タンバランバ周辺では白ワインはリースリングとピノグリ、赤ワインはシラーズがいいものが多いと思います。
そしてオーストラリアの多くのエリアで作られているシャルドネはニューサウスウェールズ州だとすぐに思い浮かぶのはオレンジです。
それ以外のエリアでもかなり造られてはいますが、おすすめするかといえば正直なところあまりおすすめはしません。もちろん中にはいいものもありますが、全体的に見ると少ないと思います。
そしてオレンジは州内で良質なピノ・ノワール造る数少ない産地の1つでもあります。
生産量は少ないが質では負けないタスマニア州
そして最後にタスマニア州(Tasmania)です。
タスマニア州はオーストラリア南東部にある島です。このエリアのワインは生産量は他州と比べると少ないですが、質はとても高いイメージです。そして昔からスパークリングワインが有名なエリアです。
店頭で見ても確実に種類は少ないですし、価格も平均的に安くはありません。そして大量生産の安価なものはほとんどありません。
タスマニアは広大なオーストラリアにおいては小さい地域ですが、食においては一目置かれるエリアです。レストランも有名で評価の高い話題になるお店がたくさんありますし、食材も豊富で上質です。
個人的なイメージとしてはタスマニアは日本でいう北海道のような場所に当たると思います。
タスマニアの主要品種
タスマニアのワインは赤ならまずピノ・ノワールが浮かびます。冷涼な気候で素晴らしいピノ・ノワールを造るワイナリーは多くあり、個人的なイメージだとタスマニアで最初に思い浮かぶのはピノ・ノワールです。
そして白だとリースリング、シャルドネではないでしょうか。どちらの品種もタスマニアを代表する品種ですが、個人的に印象に残っているワインが多いのはリースリングです。
ここまで全ての州で名前の上がっていたシラーズ(シラー)はというと、いいものも実は結構あります。だたし数は少ないので主要品種かといえば違うかもしれませんが、ぜひ試して欲しいものもあるというのがタスマニアのシラーズの印象です。
まとめ
オーストラリアの産地の話いかがでしたか?
ざっと、かなり自分の感じてる事を中心書いてみましたので今まで見たもの、聞いていたものとは違うと感じた方もいるかもしれません。
仕事でワインに関わっていると自由度の高いオーストラリアでは変化のスピードが速いように感じます。少し前の情報は古いものにすぐになってしまうので現地の感覚の話を伝えたいと思ってこのブログを始めました。
また日本のネットで見られる情報の多くが古いままであったり、日本に多く入っているワイン(特に大量生産のもの)に関わる事やその産地のことを敢えてよく書いているように思いました。
ですからこれを読んで少しでもよい品質のものにフォーカスした場合の見え方を感じてもらえたらと思います。
次回は具体的におすすめの造り手を紹介していきたいと思いますのでお楽しみに。
それでは今日も最後まで読んで頂きありがとうございました。
もしよければこのページの1番下の所からインスタ、ツイッター、FBのフォローもぜひよろしくお願いします。そして沢山の人に読んでいただきたいのでシェア、ツイート拡散は大歓迎です。さらにコメントなんかいただけたらほんと嬉しいです。ぜひよろしくお願いします。
Mauve Wine Co.のりょーじでした。