オーストラリアでナチュラルワイン by Mauve Wine Co.

Sydney在住のワインコンサルタントによるナチュラルワイン(自然派ワイン)の話

Gentle Folk Wine from Adelaide Hills SA

オーストラリアのロゼ事情ってどんな感じ?

どうもMauve Wine Co.りょーじです。

今日はざっくりとロゼのお話をしてみようと思います。前回は白ワインでしたがそれに続き第2弾という事でロゼをいってみたいと思います。

次回からも続けて赤ワイン、そしてオレンジワインのこともオーストラリアのナチュラルワイン(自然派ワイン)好き視点で書いていきますのでそちらもお楽しみに!

あくまでナチュラル好きの僕の主観と経験からの見方ですので、いつも良く言うように市場調査みたいな内容と比較はしないでくださいね。

©️Wine Folly

最近のオーストラリアでのロゼ事情

シドニーでは特に夏場になると女性を中心にロゼを好んで飲む人をよく見かけます。皆さんのイメージ通り夏のオーストラリア、特に外で飲むロゼワインは本当にサイコーなのでこれは必然です。

さらに近年では以前よりそのような光景に出会う事が増え、夏だけではなく季節問わずロゼが日常的になってきていると感じます。

まずロゼワインは近年オーストラリアではとても流行っています。これはおそらく世界的なものだと僕は思っています。種類も以前よりとても多くありますし、美味しいものもかなり増えていると感じます。

オーストラリア産のロゼの場合、ひと昔前までは甘めのものをよく見かけ、多くの人の印象もロゼは甘いものという感じになっていたように思います。

もちろん以前からもドライなロゼはありましたが、以前より多く造られるようになり、さらに様々なスタイルのものを見ることができるようになりました。色もうっすら色着いたものから結構濃いものまであり、品種も様々な種類のものが使われます。

自由な造りが売りのオーストラリアらしく、色々な特徴を持ったロゼを選ぶことができるようになり、個人的にも飲む機会が増えて選ぶ頻度もだいぶ増えたように思います。

そもそもロゼって何?

それぞれ特徴のあるオーストラリア産のナチュラルなロゼ

僕の思うオーストラリアでのロゼワインの定義は『ロゼの色をしていること』もしくは『造り手がロゼワインだと呼んでいること』だと思っています。

昔、ワインのことが全くわかっていない時にはロゼは赤と白を混ぜたものだと思っていました。

その後ワインのことを学ぶと黒ぶどうを原料に赤ワインとは違う造り方(セニエ法、直接圧搾法)をしたものだとわかりました。

しかしその後、さらにちゃんと学ぶようになると赤と白を合わせたもの(混醸法、ブレンド法)も存在することもわかりました。

ですから個人的な定義としては色と呼び方という答えに行き着きました。

ロゼの種類

セニエ法。©️Wine Folly

基本的にはロゼワインというのは黒ぶどうを搾って発酵させて造る直接圧搾法のもの。

赤ワインを造るように黒ぶどうの果皮や種を含む果汁を一緒に発酵し、色が濃くなる前に搾って造るセニエ法が基本だと思います。

そして今回、僕が特に伝えたいのは赤と白を合わせたものも実は結構あるということです。

少しワインを勉強すると上記の2つの製法を知るので、ロゼは黒ぶどうから造るものだけという認識になってしまうことがありますが、実は白ぶどうもロゼを造る時に使われる事は少なくないのです。

赤と白を合わせたロゼとは?

Patrick Sullivan(パトリック・サリヴァン)のジャンピンジュース・サンセット。このロゼはオレンジワインに赤ワインをブレンドして造られている。

ブレンドをするロゼで代表的なのは、皆さんよく知っているシャンパーニュですね。シャンパーニュはロゼを造る時に赤と白をブレンドすることが認められています。

ちょっとフランスワインの話に逸れましたがとても大事なことなので一応触れておきました。でもこのコラムはオーストラリアワインのコラムなのでオーストラリアに話を戻しますね。

オーストラリアのロゼを見るとなんだかんだで赤用品種のみの方が多いですが、実は結構頻繁に赤白両方の品種でもロゼを造っています。特に僕の好きなナチュラルの造り手の場合はさらに多く見ることができます。

そしてほとんどのワインが発酵前の段階で合わせてしまうことが多いように思います。

プレスしたジュースをタンクや樽で合わせて発酵させたものや、ぶどうの段階で混ぜて発酵させてから搾り、発酵を継続させるものがこの部類に入ります。

こんな変わり種もあります。

Brave New Wine(ブレイヴニューワイン)のピノ・ノワールとシャルドネの全房で造られたワイン

珍しいものではピノ・ノワールのジュースを全房のシャルドネと合わせて発酵させたものや、オレンジワインに赤ワインをブレンドしたもの、色々な種類のぶどうを合わせてロゼの色になったワインなど多種多様なものが存在します。

これらのスタイルはロゼとオレンジ、両方の特徴を持っているワインになっていると個人的には感じる面白いワインです。

また個人的に最近よく見ると感じるのはピノ・グリをマセラシオン・カルボニックやスキンコンタクトして造られたロゼワインです。

一般的にほとんどの市場にあるピノグリのワインは白ワインですよね?ですからこのように造ったワインはオレンジワインとなるはずですよね?しかしここで僕がお話ししたいのはその造りのワインがロゼになるということです。

これを詳しく説明する前に用語に自信のない方は以前書いたマセラシオン・カルボニックとオレンジワインの記事を読んでみてください。

マセラシオン・カルボニックの記事→https://mauvewine.com/carbonic-maceration/

オレンジワインの記事→https://mauvewine.com/orangewine/

ピノ・グリのロゼってどういう事?

そのワインは明るい赤というかロゼ色のワインなのに、本来白ワインに用いられるピノ・グリから造られているのです。

ブレイブニューワインのピノ・グリをスキンコンタクトして造ったワイン

おそらく大体の方が思い浮かべる白ぶどうというのは果皮がうすい緑色のものだと思いますが、ピノ・グリの果実は収穫時期にもよりますが白ぶどうというよりは色の薄い黒ぶどうの方が近い色の果皮をしています。

Brave New Wine(ブレイヴニューワイン)で収穫された2019年のピノ・グリ

その中で色が濃くついたものを赤ワインやオレンジワインのように長い期間スキンコンタクトをさせると色合いが薄い赤ワインか濃いロゼワインのようになるのです。

個人的な感想としてはオレンジワインというよりは濃い目のロゼの味わいがするものが多いように感じます。しかし、一般的には白ワインとして認識されているピノ・グリから造っているので分類する際には迷ってしまうのですが、見た目はロゼよりですし、造り手もロゼと呼んでいることが多いのでロゼでいいのかな?と思っています。

ちなみにそれらのワインはオーストラリアのワインバーやナチュラルワインショップなどではロゼとして扱われている事が多いと思います。

Gentle Folk(ジェントルフォーク)のレインボージュース。23種類ものぶどうから造られた赤と白を合わせたロゼワインの代表格。

一言にロゼと言ってもかなり多様

ロゼを造るワイナリーが増えたせいなのか、色々なロゼを見る機会がここ数年増えてきたように思います。

昔は勝手な想像でロゼは薄いピンクまたはサーモンピンクのイメージが強かったのですが最近オーストラリアで見るものには赤ワイン?と思ってしまうほど色の濃いものも結構あります。

そして逆に明るい色の赤ワインも増えてきているのでロゼが赤よりも色が濃いということも多々あるんです。

結局僕が普段、接している造り手たちはあまりジャンルにとらわれていないので彼らなりに「これは明るい赤だよ」と言ったり「ロゼだよ」って言っています。

中には「わからない」とか「どっちでもいい」とかって答える造り手もいますが、そんな答えをさらっとするあたりもナチュラルワインの造り手の魅力なんですよね。

僕はワインが好きですし、学んでいきたいとは思いますが、あまり学問のようになったり、答えが決まりきってしまっているのはあまり好きではありません。

皆さんにもこれまでの常識や基本にあまりとらわれずにワインに向き合ってもらって、オーストラリアの新しい世代が造るロゼワインを楽しんでもらえたらと思います。

それでは今日も最後まで読んで頂きありがとうございました。

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Mauve Wine Co.りょーじでした。

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