オーストラリアでナチュラルワイン by Mauve Wine Co.

Sydney在住のワインコンサルタントによるナチュラルワイン(自然派ワイン)の話

Gentle Folk Wine from Adelaide Hills SA

必読!!オーストラリアの主要ワイン産地。かなりの主観、個人的好みで紹介。まずはこれを読んでリアルなオーストラリアのワインを知ろう![前編]

どうもMauve Wine Co.りょーじです。

今日はオーストラリアのナチュラルワイン(自然派ワイン)の話をする上で絶対必要な産地の紹介をしていきたいと思います。

この記事ではナチュラルワインだけの話ではなく、オーストラリアのちゃんとしたワイン全体という事でお話したいと思います。

オーストラリアのワイン産地。

造り手の紹介をする前にまずオーストラリアにはどういう産地があるのかを知らないとなかなかイメージが伝わらないですよね。

ですから今回は産地のみにスポットを当てて地図も使ってしっかりと、且つズバッと書いていきたいと思います。そしてそのあとに以前に書いた造り手の話のブログを読んでもらえたらと思います。

おそらく僕の書く内容は日本の媒体と違う部分があると思います。どうしても日本の媒体で見るとデータなどの数字から読み取っているように思える内容も多くあるので、現地のレストランなどでワインを扱う感覚とは大きく内容が変わってきます。

そして僕が伝えたいものは魅力のあるワインを造るこだわりを持った素晴らしい造り手なので、この記事には大量生産の価格重視のものは含まれてこないのでその辺を考慮して読んでいただけたらと思います。

オーストラリア最重要産地、南オーストラリア州。

オーストラリアのワイン産地の話をする上で一番重要な地域は南オーストラリア州です。これは何を見ても誰に聞いても間違いないと思います。生産量も圧倒的で有名ワイナリーもたくさんあります。

そして生産者の数も多いのでそれに比例して僕の大好きなナチュラルワインの造り手が多いのも特徴です。

その中で僕のおすすめの産地はアデレードヒルズ、マクラーレン・ヴェール、バロッサバレー、エデンバレー、クレアバレー。そしてこれはあまり紹介されないエリアでマイナーかもしれませんが僕の好きな造り手が何人かいるマウントガンビアです。

ちなみにバロッサという表記のワインを見ることがあると思いますが、これはバロッサバレーとエデンバレー両方を含むエリアのことで「バレー」という単語が入るかどうかでこの場合は意味が変わってきますので注意してくださいね。

南オーストラリア州の主要品種

次に品種の話をしたいと思います。

マクラーレン・ヴェールの風景。Copyright © 2019 Wine Folly,

代表的な品種といえばシラーズでしょう。これは外せませんね。オーストラリアと南アフリカ以外の地域ではシラーと呼ばれるこの品種は、ほぼ国内全域で造られていますがバロッサバレーは特に有名ですね。マクラーレン・ヴェールも濃い〜のが好きな方にはとても良いと思います。

しかしエデンバレーとクレアバレーも忘れては行けません。オーストラリアを代表するリースリングでも知られるこのエリアのシラーズはバロッサバレーのパワフルなシラーズよりもエレガントな滑らかさも併せ持ったワインが多く、個人的にはおすすめしたいエリアです。

以前訪れたオーストラリアを代表する高級ワイン、ヘンチキ(Henschke)が誇るヒルオブグレイス(Hill of Grace)の畑。その樹齢は150年を超える。

南オーストラリア州の白ワイン品種といえばリースリングです。これも誰も文句のない事実だと思います。上で言ってしまいましたがクレアバレーとエデンバレーはオーストラリアを代表するリースリングの主要産地です。特にオーストラリア人には人気のドライなワインで知られ根強い人気があります。

そして実はシャルドネも良いものがたくさんあります。産地でいうとアデレードヒルズが個人的にはおすすめです。僕の大好きなナチュラルワインの造り手もこのエリアのシャルドネにこだわりを持った人は多いです。ジェントルフォーク(Gentle Folk) 、ジ・アザーライト(The Other Right)、オコタバレルス(Ochota Barrels)など、彼らのシャルドネはとても魅力的です。

また赤ワインならシラーズに次いでカベルネソーヴィニョンも有名ですね。よく言われているのはクナワラ(coonawarra)です。でも個人的にはカベルネ単体よりもシラーズとブレンドしたカベルネシラーズはバロッサエリアも含め素晴らしいものが多くオーストラリアが誇るユニークなブレンドなので個人的には推したい種類です。

そして意外と知られていないけど知っておいて欲しいのがアデレードヒルズのピノ・ノワールです。基本的にパワフルな品種が有名な南オーストラリア州ですが、ピノ・ノワールも素晴らしいものがたくさんあるので是非チェックしてみて欲しいです。シャルドネで挙げた3ワイナリーのピノ・ノワールも間違いなくおすすめですし、それ以外でもクラフトワインズ(CRFT Wines)は単一畑にこだわっており、全てアデレードヒルズ産で造りはほぼ同じなのに、畑ごとに全く違うキャラクターを表現したワインを造る魅力的なワイナリーです。

もちろん他にも色々な品種のワインと出会える南オーストラリア州ですが、またそういう品種のお話は別の記事で紹介したいと思います。

品のあるワインならヴィクトリア州

そして次にあげたいのがヴィクトリア州です。ヴィクトリア州は面積は狭いですが州内のほとんどのエリアでワイン造りがされていて高品質なワインが多いとても魅力的なエリアです。

また冷涼な気候なのでパワフルなワインの印象が強いオーストラリアワインですがこのエリアは比較的エレガントなものが多いので個人的には好きなワイナリーが多いです。

おすすめエリアというとやっぱり有名なヤラバレーです。近年の新しい造り手も含めて素晴らしいワインが多いです。ヤラバレー以外でいうとモーニントンペニンシュラ、ジーロンなどが有名ですね。そして個人的に絶対外せないのはギップスランド(Gippsland)です。州の東部に広がるこのエリアはナチュラルワインにおいては重要で、有名産地という感じではないですがおすすめのワイナリーが集まっています。

その他にも州西部の山沿いのエリアであるピレニース、そのエリアとメルボルンの間にあるマセドンレンジスなどもいいワインに出会えるお気に入りの産地です。

ヴィクトリア州の主要品種

ヴィクトリア州の主要品種といえば間違いなくシャルドネとピノ・ノワールです。

この2品種は州内の多くのエリアで栽培されていて質もとても高いものが多いです。そして特に上のおすすめで書いたヤラバレー、モーニントンペニンシュラ、ジーロンなどは、これらの品種から造られた上質なワインを生み出している事で知られているエリアの代表です。

そしてもちろんシラーズも造られています。南オーストラリア州の主流のスタイルと比べるともちろんパワフルではないですが、質で劣るわけではなく違うスタイルの素晴らしいワインを生み出しています。

ヴィクトリア州でシラーズと言えばヒースコート(Heathcote)が有名です。もちろん他の地域でも造られていますし、良いものもたくさんありますが、ヴィクトリア州のシラーズと言ってすぐに思い浮かぶエリアは間違いなくここです。

そしてヤラバレーなどではシラーというフランス・ローヌのオリジナルの名前を使い、従来のオーストラリアのシラーズとは違うスタイルだという事を主張しているワインも結構見られます。ボバーワインズ(Bobar Wines)やマック・フォーブス(Mac Forbes)のシラーは試して頂きたいおすすめのワインです。

また白ワインではシャルドネの他にもピノグリソーヴィニョンブランもいいものによく出会います。特にソーヴィニョンブランはそんなに量があるわけではないと思いますがバランスがよく僕のタイプのワインが結構ある隠れおすすめワインです。

イタリア系品種が盛んな地域

またヴィクトリア州というとフランス系品種が主流のオーストラリアにおいて珍しいイタリア系品種を栽培している造り手が結構いる印象です。

サンジョヴェーゼやネッビオーロ、フィアーノなどの品種は、今でこそ他の地域でも見かけますがヴィクトリア州では特に多い印象ですし、何年も前から見かけていた記憶があります。

ピレニースのラッタ・ヴィーノ(Latta Vino)やヤラバレーのルーク・ランバート(Luke Lambert)の造るネッビオーロは秀逸でかなりおすすめのワインです。

前編のまとめ

思ったより長くなってしまったので前後編に分けさせてもらうことにしました。

前編は南オーストラリア州とヴィクトリア州。この2つは他の州と比べてもちゃんと質を追求していたり、しっかりとこだわりを持ったワインを造るワイナリーだけを見るととても重要な造り手が数多くいるエリアです。

もちろん他の州にもたくさんの素晴らしい造り手がいますがこの2つの州が特に多いというのが個人的な意見です。

そしてこの2つの州を見てもらっただけでもかなりの違いがあるのがわかると思います。自由な造りと言われるオーストラリアですからフランスの産地と比べると1つの産地の中でも多くの種類の品種が栽培されていることがわかると思います。

それらを単一で造ったり、独特なブレンドで造ったりととても多様性に富んだものに出会うことができます。しかしそれでも広いオーストラリアですから気候も土壌もいろいろありますので地域ごとの差は出てきます。

その差や違いをこの文章で感じてもらえたら嬉しいです。そして後半では更に他の地域も紹介しますのでその違いを見つけてみてください。

後編も頑張りますので楽しみにしていてください。

それでは今日も最後まで読んで頂きありがとうございました。

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Mauve Wine Co.りょーじでした。

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