オーストラリアでナチュラルワイン by Mauve Wine Co.

Sydney在住のワインコンサルタントによるナチュラルワイン(自然派ワイン)の話

Gentle Folk Wine from Adelaide Hills SA

南オーストラリア編、旅の目的地その7。オーストラリアを代表する古木のシラーズを造る老舗ワイナリー、ヘンチキ(Henschke)[前編]

どうもMauve Wine Co.りょーじです。

今日紹介するワイナリーはオーストラリアを代表するワイナリーの1つ、ヘンチキ(Henschke)です。このワイナリーはナチュラルでは無いのですが、せっかく今回の旅でとても素晴らしいワイナリーをしっかりと見学することができたので皆さんとシェアしたいと思います。

そして、これを機会にみなさんに僕がナチュラルしか見ていないという誤解(おそらく相当少なく見積もっても年間600本はナチュラルで無いものを試していると思います)を解くとともに、ナチュラルでは無いオーストラリアの素晴らしいワインを紹介したいと思いこの記事を書いています。

ナチュラルではないと言いましたがこちらのブドウはナチュラルでもよくみられるオーガニックの1つであるビオディナミ(Biodynamic)で栽培されています。ビオディナミの事は以前の記事で書いていますのでぜひ参考にしてみてください。ビオディナミの記事のリンクはこちら→https://mauvewine.com/biodynamic

とても歴史のあるワイナリー

セラードアを入ってすぐにあるスペース。家族経営のワイナリーらしい写真が飾られている。写真からも歴史のあるワイナリーだという事がわかるがヨーロッパと比べるともちろん全然浅い。

ヘンチキオーストラリアを代表するワインであるヒル・オブ・グレイス(Hill of Grace)を造るワイナリーです。ヒル・オブ・グレイスとは樹齢150年を超える南オーストラリア州・エデンバレー(Eden Valley)にあるシラーズの畑で、そのブドウから造られたワインがヘンチキのヒル・オブ・グレイスです。

ワイナリーの歴史として1868年から続いているヘンチキは現在は5代目のスティーブン・ヘンチキ(Stephen Henschke)6代目のヨハン・ヘンチキ(Johanne Henschke)を中心にPaulとDaveという2人のワインメイカーを加えたチームによって造られています。

そして今回僕がこのワイナリーを訪れる事が出来たのはそこでワイン造りを学びながら働いているアンディ・カミンズ(Andy Cummins)との出会いがあったからなんです。彼はラサ・ワイン(Rasa Wines) という名前で自身のワインを造っていて、そのワインは素晴らしいナチュラルワインなんです。まだオーストラリア国内でもほぼ無名ですが僕個人は彼のワインを連続で購入するくらい好きなんです。

アンディのワイン、ラサワインのことはこちらの記事からどうぞhttps://mauvewine.com/rasa-wine/

セラードアとワイナリーツアー。

セラードアの外観。

実は完成したばかりのこのセラードアは創立時の1860年ごろに建てられたワイナリーのオリジナルの建物を元に改装されたものなんです。ですからとても綺麗でありながらも風情のある歴史を感じる建物になっています。

そして一歩足を踏み入れると元々の雰囲気を残した内壁や梁がいい味わいを出していてとても居心地が良い空間となっています。こんなところで試飲をしたらさらに美味しく感じてしまいそうですね。

セラードアの中の様子。

このセラードアは一般開放されているので、このいい雰囲気の中で試飲することも可能です。そして気に入ったものがあれば購入することももちろん可能です。セラードアの営業時間やアクセスの情報はこちらのリンクからどうぞhttps://www.henschke.com.au/experience-henschke/cellar-door/

そして今回、僕は特別に見る事ができたと言いましたが予約を前もってすれば貴重な古木の畑も見れますし、そのブドウから造ったワインも試飲できるようです。もちろんそれは有料になりますがとても良い経験になることは間違いないと思います。ちなみに料金ですが「要問い合わせ」とのことです笑。このVIPツアー&テイスティングと呼ばれる特別なワイナリーツアーの詳細はこちらからどうぞhttps://www.henschke.com.au/experience-henschke/cellar-door/h

家族経営とはいえ小さい規模ではない。

ヘンチキは家族経営のワイナリーです。家族経営と聞くと小規模なワイナリーを思い浮かべると思いますが、過去の記事で紹介したナチュラルワインを造るワイナリーと比べると規模はとても大きいワイナリーです。

でもオーストラリアの本当に大きいワイナリーと比べるとヘンチキは家族経営らしくかなり小さいとも言えます。ちなみにその大きいワイナリーというのは外見も本当に工場のような大きさになりとても比較できない規模になります。

大手ワイナリーであるペンフォールズ(Penfolds) の敷地。完全に工場といった感じ。

ヘンチキは赤ワインを約20種類、白ワインを約15種類造っています。その価格帯は、安いものは店頭価格でAU$25くらいからありますが最高値のものはAU$800を超えます。もちろんビンテージによってはもっと高くなるものもあります。そしてレストランで飲めばその倍くらいします。

幅広い価格帯ですが激安で品質的に微妙なものは造っていなくて比較的安いものでも価格の割には高い品質のものが多いというのが僕の印象です。ヘンチキのラインナップに興味のある方はこちらからどうぞhttps://www.henschke.com.au/store/

畑にこだわり、それぞれの畑のワインを造る。

ヘンチキだけではなくオーストラリアを代表するワイン、ヒル・オブ・グレイス。

それでは今回の訪問で試飲する事ができたプレミアムなワインたちを少し紹介します。

まずは散々名前を出してきましたヒル・オブ・グレイスです。

この樹齢150年を超えるシラーズから造られるワインはオーストラリアを代表するワインです。オーストラリアのワインのことを書いた記事を見るとバロッサバレーのシラーズのことを書いたものをよく見かけます。そしてそのワインは大体フルボディでパワフルなものという書き方を長年されてきています。

しかしヒル・オブ・グレイスのあるエデン・バレー(Eden Valley)はすぐ隣にありながらシラーズはとても柔らかさがありバロッサバレーでよく言われるスタイルとは少し違うと思います。

そしてこのヒル・オブ・グレイスもエレガントさをもった素晴らしいワインだというのが僕の印象です。今回試飲できたのは現在販売されている2013ビンテージだったのですが既に十分素晴らしいワインでした。

ワインメイカーが言うには15年くらい寝かしたいとのことなので、もちろんもっと熟成させた状態で飲みたいというのが正直なところですね。そしてこのワインはAU$800を超えるワインです。

ラベルが無くボトルに直接印字されたヒル・オブ・ローズ。

そしてヒル・オブ・ローズ(Hill of Roses)です。このワインはヒル・オブ・グレイスの区画にある若いブドウから造られたワインです。大体その樹齢は25−30年くらいです。そしてこのワインもAU$400くらいするプレミアムなワインです。

個人的にはこれが1番好きでした。ビンテージもこちらは2012なので一概に比較はできませんがとても素晴らしいワインということには疑いがありませんね。

左からザ・ウィールライト(The Wheelwright)、マウント・エデルストン(Mount Edelstone)の2014と2013ビンテージ。

そして次はザ・ウィールライト(The Wheelwright)です。このワインは樹齢75年以上になるエデン・バレーの南側にあるもっとも冷涼な地区で栽培されたシラーズから造られたワインです。ちなみにこちらはAU$130です。

そしてマウント・エデルストン(Mount Edelstone)。このワインは樹齢100年以上のエデンバレーにある畑のシラーズから造られたワインです。シラーズとしては淡い色合いが印象的でした。Webサイトでもベンチマークと紹介しているとても重要なワインの1つです。ちなみにこちらはAU$225です。

このようにヘンチキは畑ごとの特徴を大事にしたワインをプレミアムレンジに置いています。それは家族が6世代に渡って受け継がれている畑を大事にし、ワイン造りを続けていることへのプライドのような気がします。そしてそのプライドは現在でも高い評価を受け、たくさんの人に愛され続けているのです。

今回のヘンチキの話はちょっと1回では書ききれないので前後編に分けています。後編は畑とワイン造りの施設を紹介しますので合わせて読んでみてください。

それでは今日も最後まで読んでいただきありがとうございました。

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Mauve Wine Co.りょーじでした。

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