オーストラリアでナチュラルワイン by Mauve Wine Co.

Sydney在住のワインコンサルタントによるナチュラルワイン(自然派ワイン)の話

Gentle Folk Wine from Adelaide Hills SA

オーストラリアでの白ワインを考えてみた!

どうもMauve Wine Co.のりょーじです。

今日は前回のロゼに続いて白ワインのことを話してみたいと思います。

毎度の事ですがこれは僕の個人的な見解でソムリエ試験などの内容とは大きく違うかもしれません。現地在住でワインに関わる仕事をしながら、それなりにたくさんのワインを試飲している人間の意見として読んでみてください。

ブログの題名通り僕は基本的にはナチュラルワイン(自然派ワイン)推奨派で好みも特殊かもしれません。そして業界内で感じてることを言うだけなので、市場調査などで出る数字とは合わないと思いますのでその辺もご理解ください。

ではいってみましょう。

そもそも白ワインって?

©️Wine Folly

そんなの簡単、「白いワインでしょ?」「白ぶどうで造ったワインでしょ?」と思いますよね。

ワインって大体そんな感じでいいと思っているのですが、僕の場合は仕事上ある程度分類したり、説明の際に必要な違いをある程度知っておく必要があるんです。そして掘り下げてみると実は白ワインって結構複雑なんです。

まず白い(透明という方がいいかもしれませんがここでは白とします)ワインというのは間違いではないです。しかしある程度色づいたものも白ワインに分類されますのでそれだけでは無いということが言えます。結構透明なものから黄色がかったもの、うっすら緑のようなものや、すこーしピンクのものも基本白ワインと呼ばれています。

そして白ぶどうから造ったものというのも、それだけでは無いというのが当てはまります。全体量から言ったら少ないのかもしれませんが黒ぶどうから造った白ワインも存在します。よく知られているのはシャンパーニュのブラン・ド・ノワールですね。

西オーストラリア州グレートサザンにあるブレイヴニューワインのピノ・グリ

さらにロゼワインの記事でも触れているのですが、ピノ・グリは白ぶどうと呼ばないのでは?という問いも個人的にはあります。

また以前記事にしているオレンジワインは白ぶどうから造られるけど白くはないし、分類もオレンジワインとされることが多いです。そして色は白ワインっぽくてもスキンコンタクトをして果皮の味わいが出ているとオレンジワインと呼ぶ事も結構あるんです。

この辺は以前に書いた記事を参考にしてみてください。

オレンジワインの記事はこちら→https://mauvewine.com/orangewine/

ロゼワインの記事はこちら→https://mauvewine.com/rose-in-australia/

では白ワインとは一体?

©️Wine Folly

個人的な意見をまとめると白ぶどうの果汁から造られたワインプレスをせずに色がついていない黒ぶどうの果汁から造られたワイン。そして短時間のスキンコンタクトしかしていない白ぶどうから造られたワインもオレンジワインではなく白ワインと呼ばれることが多いと思います。

よくある熟成が進んだ黄色いワインもこう分類すれば白ワインになりますね。

あとは造り手がどう呼ぶかというのも一応付け加えておきます。スキンコンタクトのオレンジワインでもブランという名前をつける人もいるのでその場合はそれは白ワインになる場合もあるかと思います。

オーストラリアの白ワインにはどんな種類がある?

オーストラリアの白ワイン(実際は赤白問わず)は基本的にはフランス系の品種が中心です。シャルドネ、ソーヴィニョンブラン、リースリング、セミヨン、ピノ・グリが主な品種だと思います。

そのほかにはマルサンヌ、ルーサンヌやゲヴェルツトラミネール、ヴェルデーリョ、グリューナー・ヴェルトリーナーなどは上の品種よりは少ないですがそれなりによく見かけます。

そしてフィアーノやヴェルメンティーノはナチュラルワインの造り手を中心に最近では美味しいものが結構ありますし、ジュラ以外では珍しいサヴァニャンも少ないですがそれなりにあります。マスカット系も従来は甘い安価なワインになることが多かったですが、ナチュラルワインの中にはオレンジワインになることが多いですが美味しく香り高いものに出会うことができます。

オーストラリアの白ワインの特徴とは?

オーストラリアはやっぱり自由で多様なワイン造りが行われているのが大きな特徴だと思います。とは言えある程度産地ごとに代表する品種やスタイルはありますのでまずは一般的な白ワインの特徴を産地や品種の話を交えて話していきたいと思います。

そしてちょこちょこ僕の見解も織り交ぜてお話していきたいと思います。

ハンターヴァレーの辛口セミヨン

まず、最初に思い浮かぶのはセミヨンです。セミヨン?そんなメジャーじゃなくない?と思うかもしれませんが僕の住むシドニーから1番近いオーストラリアで1番歴史のある産地で知られるハンターヴァレー(Hunter Valley)ではとても重要な品種なんです。

ハンターヴァレーのセミヨンは多くが辛口で造られ、オーストラリアではとてもメジャーでハンターセミヨンというのは1つのブランドになっています。ハンターヴァレーに行くとほとんどのワイナリーで造られているくらい主要な品種です。

キリッとドライなものが一般的ですが、熟成させて黄色く変化したセミヨンもワイン好きには人気です。個人的には好きなものは少ないですが、歴史もありオーストラリア 、特にシドニーでは人気のあるワインの1つです。

ちなみに他のエリアに行くとほとんど見ることがないので、それも大きな特徴だと思います。

個人的に好きな造り手をあげるとハンターヴァレーのハーカムワインズ(Harkham Wines)がまず思い浮かびます。あまり好きなワイナリーのいないこのエリアでナチュラルワインといえば彼らがまず思い浮かびます。ハンターヴァレーを代表するセミヨンとシラーズを中心に栽培しながらも、他のワイナリーとは違うナチュラルなアプローチと酸化防止剤無添加はこのエリアでは特に貴重な存在です。

他の州で見ると南オーストラリア州(South Australia)のガイアーワイン(Geyer Wine Co.)はスキンコンタクトをしたオレンジワインですが、とても好きなセミヨンのワインを造ります。

セミヨンに関連することで言うと、西オーストラリア州(Western Australia)に行くとソーヴィニョンブランとのブレンドがとても盛んで、産地を代表するワインの1つとなっています。

ほとんどの産地で見られるシャルドネ

シャルドネはご存知の通り白ワインを代表する品種で、造られている産地もとても多いです。

もちろんとても重要な品種で、安価なものからプレミアムなものまで幅広いのはシャルドネの大きな特徴です。

代表的な産地で言うとヴィクトリア州(Victoria)のヤラヴァレー(Yarra Valley)やモーニントン・ペニンシュラ(Mornington Peninsula)がよく知られています。この2箇所はもちろん良いワインに出会えますが、個人的にはヴィクトリア州は全体的に良いシャルドネが多いと思っています。

主な造り手でいうと正直沢山いるので難しいのですが、ヤラヴァレーのマック・フォーブス(Mac Forbes)、ボバーワインズ(Bobar Wines)、モーニントンペニンシュラのアヴァーニ(Avani)、ケリー・グリーンズ(Kerri Greens)。そしてピレニース(Pyrenees)のラッタ・ヴィーノ(Latta Vino)も好きなワイナリーの1つです。パトリック・サリヴァン(Patrick Sullivan)やジョシュア・クーパー(Joshua Cooper)などもナチュラルワイン好きの間では有名ですね。

西オーストラリア州のマーガレット・リバー(Margaret River)も有名なシャルドネの産地です。一般的に知られているワイナリーはシャルドネを売りにしているところが多くイメージも良く人気も高いです。このエリアのシャルドネで有名なワイナリーは大体老舗ワイナリーでナチュラルではないところがほとんどですが、ナチュラルでのおすすめももちろんあります。ドーミローナ(Dormilona)、ウォルシュ&サンズ(Walsh & Sons)そして同じ西オーストラリア州の最南部、グレートサザン(Great Southern)にあるブレイヴニューワイン(Brave New Wine)はぜひ試していただきたいワイナリーです。

そして忘れてはいけないのはタスマニア(Tasmania)です。本当に上質なものが多く、少量生産のワイナリーがほとんどで、ツートン(Two Tonne)  、ストニーライズ(Stony Rise)、ドクターエッジ(Dr Edge)などのナチュラルワインも含め、良いワインに出会える機会はとても多いと思います。

そして最近のオーストラリアのシャルドネは樽を使わないものが増えているという記事を何個もネットで見かけたのですが、これは少し誤解を与えそうなので自分の意見を言いたいと思います。

タンクで造るものは確かに多く造られていますし、それなりによく見かけます。しかしそういうものは、もちろん全てではないですが比較的安価でそんなに質の高くないものが多いと思います。おそらく全体の統計でいえば増加しているのかもしれませんが、良いものの中にはほとんどないというのが僕の印象です。

やはり美味しいワインを紹介したいですし、大量生産ワインのイメージを払拭したい僕としてはこれは知っておいてもらいたい事です。

ちなみに僕は絶対的に樽を使うことを推奨しているわけではありません。新樽率が高く、やたらと樽香の強いものは好きではありません。やはり古樽でほんのりするぐらいのものが美味しいです。

最後におすすめエリアにはしませんでしたがニューサウスウェールズ州にも魅力的なシャルドネはもちろんあります。まずはハンターヴァレーのエムアンドジェイ・ベッカー(M&J Becker)、ブルーマウンテンズでワインを造るフランクリー・ボブメイドディスワイン(Frankly, Bob made this wine)。そしてキャンベラエリア(Canberra)のマラルカワインズ(Mallaluka Wines)などは個人的におすすめするワイナリーです。

南オーストラリア州のリースリング

オーストラリア最大のワイン産地で有名なワイナリーが数多くある南オーストラリア州(South Australia)の白ワインといえばリースリングだと思います。

シャルドネも、もちろんたくさん造られていて評価の高いものもありますが個人的にはあまり印象にありません。しかし僕の大好きなアデレードヒルズ(Adelaide Hills)のナチュラルワインの造り手たちのシャルドネは別の話です。ジェントルフォークを始め、オコタバレル(Ochota Barrel)、ジ・アザーライト(The Other Right)、アーキテクツオブワイン(Architects of Wine)、など
彼らのシャルドネは別格です。

南オーストラリア州のリースリングといえばクレアヴァレー(Clare Valley)がよく知られています。しかし前にも書いたのですがクレアヴァレーのものの多くは個人的にはドライすぎて酸味を強く感じます。

それなら同じく優良なリースリングで知られるエデンヴァレー(Eden Valley)やバロッサヴァレー(Barossa Valley)の方がバランスがよく、とても好みのものが多いです。例えばスモールフライ(Smallfry)のリースリングは個人的には大好きなワインです。

そしてリースリングはナチュラルな造り手で見るとタスマニアや西オーストラリア州の南部にあるグレートサザン(Great Southern)キャンベラやヴィクトリアも個人的には好きなワインがたくさんあります。

タスマニアではシャルドネもおすすめだったツートン、ドクターエッジ、そしてブライアン(Brian)も注目のワイナリーです。グレートサザンではここもシャルドネでおすすめしたブレイヴニューワイン。キャンベラではマラルカやレイブンズワース(Ravensworth)、マダワインズ(Mada Wines)はとてもおすすめです。

みんなに人気のソーヴィニョン・ブラン

そしてメジャーな品種で一般的に人気が高いと言っていいソーヴィニョン・ブランは南オーストラリア州のアデレードヒルズが思い浮かびます。しかしオーストラリアで一般的によく求められているのはニュージーランドのものです。もちろん例外もありますが個人的にはあまり好きではありません。

そしてセミヨンのところで話したように西オーストラリア州ではセミヨンとブレンドされたものが有名です。

もうだいぶ前になりますがニュージランドのマールボロ(Marlborough)産のソーヴィニョン・ブランが高い評価を受けたことにより未だにオーストラリアでは人気が高いです。そしてそれが全てのような人がたくさんいるので業界というか僕の周りのナチュラルワイン絡みの人間は逆に嫌う傾向にあります。

とはいえもちろん美味しいものもあります。僕が思い浮かぶのはやはりアデレードヒルズ。贔屓にしてるジェントルフォークを始め、有名なルーシーマルゴー(Lucy Margaux)やマノン(Manon)も造っていますね。そしてヴィクトリア州のいくつかの産地でもいいワインに出会う事ができます。どちらもナチュラルワインで見るとたくさんの良いワインがあるエリアだと思います。

以前はあまり好きではありませんでしたが、酸の強すぎない果実味を持ったソーヴィニョン・ブランに多く出会えるようになってからは僕は結構好んで飲むようになりました。

ただし、ナチュラルではないものの多くはあまり好みではないというのが僕が持つオーストラリアとニュージーランドのソーヴィニョン・ブランの印象です。

©️Wine Folly

その他の品種

その他の品種ではピノ・グリは広く一般的な品種で、とても人気がありますが特にどの産地かというと少し考えてしまいます。どの産地というよりは造り手ごとに見て、いいものを造るワイナリーがあるなという印象です。

そして収穫の時期がかなりバラバラでスッキリしたものからしっかりしたものまでの幅がかなり広いというのもオーストラリアのピノ・グリの特徴かもしれません。基本的にスッキリしたものはピノ・グリージョ(Pinot Grigio)という名前で、しっかり目のものはピノ・グリ(Pinot Gris)という名前というイタリアとフランス両方の名前が使い分けられているのもオーストラリアの面白い点ですね。

また有名な赤ワインを多く造るバロッサヴァレーではマルサンヌとルーサンヌのワインで美味しいものによく出会える気がします。そんなに多い量ではないと思いますがしっかりとしたものが多くとても印象に残っています。

最後に

白ワインというテーマは広く、深すぎてまとめるのがとても難しいですね。言いたいことはたくさんあるのですが、長くなりすぎてしまうのでなるべく短くまとめてみました。

合わせて以前書いた「オーストラリアの主要産地の解説」の記事を前後編共に読んでもらうと、より僕の言いたいことが理解してもらえるかと思いますのでよかったら読んでみてください。

オーストラリアの主要産地の記事へのリンクはこちら→https://mauvewine.com/wine-region/

https://mauvewine.com/wine-region-2/

それでは今日も最後まで読んで頂きありがとうございました。

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Mauve Wine Co.りょーじでした。

オーストラリアのロゼ事情ってどんな感じ?

どうもMauve Wine Co.りょーじです。

今日はざっくりとロゼのお話をしてみようと思います。前回は白ワインでしたがそれに続き第2弾という事でロゼをいってみたいと思います。

次回からも続けて赤ワイン、そしてオレンジワインのこともオーストラリアのナチュラルワイン(自然派ワイン)好き視点で書いていきますのでそちらもお楽しみに!

あくまでナチュラル好きの僕の主観と経験からの見方ですので、いつも良く言うように市場調査みたいな内容と比較はしないでくださいね。

©️Wine Folly

最近のオーストラリアでのロゼ事情

シドニーでは特に夏場になると女性を中心にロゼを好んで飲む人をよく見かけます。皆さんのイメージ通り夏のオーストラリア、特に外で飲むロゼワインは本当にサイコーなのでこれは必然です。

さらに近年では以前よりそのような光景に出会う事が増え、夏だけではなく季節問わずロゼが日常的になってきていると感じます。

まずロゼワインは近年オーストラリアではとても流行っています。これはおそらく世界的なものだと僕は思っています。種類も以前よりとても多くありますし、美味しいものもかなり増えていると感じます。

オーストラリア産のロゼの場合、ひと昔前までは甘めのものをよく見かけ、多くの人の印象もロゼは甘いものという感じになっていたように思います。

もちろん以前からもドライなロゼはありましたが、以前より多く造られるようになり、さらに様々なスタイルのものを見ることができるようになりました。色もうっすら色着いたものから結構濃いものまであり、品種も様々な種類のものが使われます。

自由な造りが売りのオーストラリアらしく、色々な特徴を持ったロゼを選ぶことができるようになり、個人的にも飲む機会が増えて選ぶ頻度もだいぶ増えたように思います。

そもそもロゼって何?

それぞれ特徴のあるオーストラリア産のナチュラルなロゼ

僕の思うオーストラリアでのロゼワインの定義は『ロゼの色をしていること』もしくは『造り手がロゼワインだと呼んでいること』だと思っています。

昔、ワインのことが全くわかっていない時にはロゼは赤と白を混ぜたものだと思っていました。

その後ワインのことを学ぶと黒ぶどうを原料に赤ワインとは違う造り方(セニエ法、直接圧搾法)をしたものだとわかりました。

しかしその後、さらにちゃんと学ぶようになると赤と白を合わせたもの(混醸法、ブレンド法)も存在することもわかりました。

ですから個人的な定義としては色と呼び方という答えに行き着きました。

ロゼの種類

セニエ法。©️Wine Folly

基本的にはロゼワインというのは黒ぶどうを搾って発酵させて造る直接圧搾法のもの。

赤ワインを造るように黒ぶどうの果皮や種を含む果汁を一緒に発酵し、色が濃くなる前に搾って造るセニエ法が基本だと思います。

そして今回、僕が特に伝えたいのは赤と白を合わせたものも実は結構あるということです。

少しワインを勉強すると上記の2つの製法を知るので、ロゼは黒ぶどうから造るものだけという認識になってしまうことがありますが、実は白ぶどうもロゼを造る時に使われる事は少なくないのです。

赤と白を合わせたロゼとは?

Patrick Sullivan(パトリック・サリヴァン)のジャンピンジュース・サンセット。このロゼはオレンジワインに赤ワインをブレンドして造られている。

ブレンドをするロゼで代表的なのは、皆さんよく知っているシャンパーニュですね。シャンパーニュはロゼを造る時に赤と白をブレンドすることが認められています。

ちょっとフランスワインの話に逸れましたがとても大事なことなので一応触れておきました。でもこのコラムはオーストラリアワインのコラムなのでオーストラリアに話を戻しますね。

オーストラリアのロゼを見るとなんだかんだで赤用品種のみの方が多いですが、実は結構頻繁に赤白両方の品種でもロゼを造っています。特に僕の好きなナチュラルの造り手の場合はさらに多く見ることができます。

そしてほとんどのワインが発酵前の段階で合わせてしまうことが多いように思います。

プレスしたジュースをタンクや樽で合わせて発酵させたものや、ぶどうの段階で混ぜて発酵させてから搾り、発酵を継続させるものがこの部類に入ります。

こんな変わり種もあります。

Brave New Wine(ブレイヴニューワイン)のピノ・ノワールとシャルドネの全房で造られたワイン

珍しいものではピノ・ノワールのジュースを全房のシャルドネと合わせて発酵させたものや、オレンジワインに赤ワインをブレンドしたもの、色々な種類のぶどうを合わせてロゼの色になったワインなど多種多様なものが存在します。

これらのスタイルはロゼとオレンジ、両方の特徴を持っているワインになっていると個人的には感じる面白いワインです。

また個人的に最近よく見ると感じるのはピノ・グリをマセラシオン・カルボニックやスキンコンタクトして造られたロゼワインです。

一般的にほとんどの市場にあるピノグリのワインは白ワインですよね?ですからこのように造ったワインはオレンジワインとなるはずですよね?しかしここで僕がお話ししたいのはその造りのワインがロゼになるということです。

これを詳しく説明する前に用語に自信のない方は以前書いたマセラシオン・カルボニックとオレンジワインの記事を読んでみてください。

マセラシオン・カルボニックの記事→https://mauvewine.com/carbonic-maceration/

オレンジワインの記事→https://mauvewine.com/orangewine/

ピノ・グリのロゼってどういう事?

そのワインは明るい赤というかロゼ色のワインなのに、本来白ワインに用いられるピノ・グリから造られているのです。

ブレイブニューワインのピノ・グリをスキンコンタクトして造ったワイン

おそらく大体の方が思い浮かべる白ぶどうというのは果皮がうすい緑色のものだと思いますが、ピノ・グリの果実は収穫時期にもよりますが白ぶどうというよりは色の薄い黒ぶどうの方が近い色の果皮をしています。

Brave New Wine(ブレイヴニューワイン)で収穫された2019年のピノ・グリ

その中で色が濃くついたものを赤ワインやオレンジワインのように長い期間スキンコンタクトをさせると色合いが薄い赤ワインか濃いロゼワインのようになるのです。

個人的な感想としてはオレンジワインというよりは濃い目のロゼの味わいがするものが多いように感じます。しかし、一般的には白ワインとして認識されているピノ・グリから造っているので分類する際には迷ってしまうのですが、見た目はロゼよりですし、造り手もロゼと呼んでいることが多いのでロゼでいいのかな?と思っています。

ちなみにそれらのワインはオーストラリアのワインバーやナチュラルワインショップなどではロゼとして扱われている事が多いと思います。

Gentle Folk(ジェントルフォーク)のレインボージュース。23種類ものぶどうから造られた赤と白を合わせたロゼワインの代表格。

一言にロゼと言ってもかなり多様

ロゼを造るワイナリーが増えたせいなのか、色々なロゼを見る機会がここ数年増えてきたように思います。

昔は勝手な想像でロゼは薄いピンクまたはサーモンピンクのイメージが強かったのですが最近オーストラリアで見るものには赤ワイン?と思ってしまうほど色の濃いものも結構あります。

そして逆に明るい色の赤ワインも増えてきているのでロゼが赤よりも色が濃いということも多々あるんです。

結局僕が普段、接している造り手たちはあまりジャンルにとらわれていないので彼らなりに「これは明るい赤だよ」と言ったり「ロゼだよ」って言っています。

中には「わからない」とか「どっちでもいい」とかって答える造り手もいますが、そんな答えをさらっとするあたりもナチュラルワインの造り手の魅力なんですよね。

僕はワインが好きですし、学んでいきたいとは思いますが、あまり学問のようになったり、答えが決まりきってしまっているのはあまり好きではありません。

皆さんにもこれまでの常識や基本にあまりとらわれずにワインに向き合ってもらって、オーストラリアの新しい世代が造るロゼワインを楽しんでもらえたらと思います。

それでは今日も最後まで読んで頂きありがとうございました。

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Mauve Wine Co.りょーじでした。

西オーストラリア州、僕のオススメワイナリーが造るリーズナブルなオレンジワイン![2018’ Express Winemakers L’orange] Great Southern WA

どうもMauve Wine Co. のりょーじです。

少しサボってしまい間が開いてしまいましたね.....また今日からしっかりと続けていきたいと思いますのでよろしくお願いします。

これまではナチュラルワインの用語や造り手にスポット当ててきましたが、これからは1本ずつワインの紹介もしていきたいと思いますのでそちらも合わせてどうぞ読んでみてください。

今日の1本は、以前書いたオレンジワインの記事に写真だけ載せていたワイン、西オーストラリア州 (Western Australia)のグレート・サザン(Great Southern)にあるワイナリー、エクスプレス・ワインメイカーズ(Express Winemakers)のオレンジワインです。ワインメイカーはRyan O'Meara(ライアン・オメーラ(で良いのかな笑。大体こんな発音ですね笑))です。

ライアン・オメーラ

西オーストラリア州といえばマーガレット・リバー(Margaret River)が有名だと思いますが、個人的にはグレート・サザンの方が好きです。マーガレット・リバーよりさらに南に位置していてとても冷涼な地域です。

西オーストラリア州のワイン産地

品種もマーガレットリバーはカベルネ・ソーヴィニョンやシャルドネが有名なのに対してグレート・サザンはリースリングで知られている産地だと思います。オーストラリアを代表するリースリングの産地である南オーストラリア州のクレア・バレー(Clare Valley)よりも個人的には好きなものが多いです。そしてピノ・ノワールも個人的に結構好きなものが多い産地です。

そしてこのワインはそんなグレート・サザンを代表する品種のリースリングから造られたオレンジワインです。

オレンジワインについての詳しい説明は以前の記事をこちらのリンクからどうぞhttps://mauvewine.com/orangewine/

そんなリースリングを果皮ごと8日間発酵させて造ったこのワインは正直見た目から予想するともっと長い期間、果皮と接触させているように感じる色合いを持っています。また味わいも良い感じの果実味と酸を持っていますが、オレンジワイン特有のタンニンとスパイス感がしっかりとあるのでこれもまた8日間だけとは思えない仕上がりだと思いました。

ちなみにこのワインはオンラインショップで$30で売られています。Express Winemakersのワインはナチュラルの中ではリーズナブルなものが多く、オーストラリアワインの中ではクセもあまりない方だと思いますのでオススメです。

そして画像のような変わり種もあってとても楽しめるワインをたくさん造っています。

2018 Express Winemakers Cheninade

ちなみに、以前ライアンと話した時は日本への輸出も予定していてインポーターさんとも話を始めているとの事なので日本の店頭で見れる日も近いかもしれません。

そして最近あるインポーターさんのインスタに、Express Winemakersのワインが出ていたのでもう間も無く日本にも来るのではないでしょうか。

2018 Express Winemakers Syrah

日本入荷前にチェックしたい方はこちらにホームページのリンクを貼りますのでぜひ覗いてみてください→https://www.expresswinemakers.com

それでは今日も最後まで読んで頂きありがとうございました。

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Mauve Wine Co.りょーじでした。

必読!!オーストラリアの主要ワイン産地。かなりの主観、個人的好みで紹介。まずはこれを読んでリアルなオーストラリアのワインを知ろう![後編]

どうもMauve Wine Co.りょーじです。

今回の記事は前回に引き続きオーストラリアのワイン産地のお話です。

前回紹介した南オーストラリア州とヴィクトリア州は僕の感覚としては特にワイン造りが盛んな地域です。

念のために言うとこれはほぼ僕の主観で、調査結果で出る生産量や順位などのデータとは一切関係ありません。僕自身がちゃんとワイン(もちろん高いと言う意味ではないですよ)を造っていると思えるワイナリーだけを対象にしたものですのでそのあたりをご理解いただければと思います。

僕はオーストラリアでワインを仕事にしていて好き嫌い関係なく、シドニーで行われる試飲会には大小問わずほぼ参加して、年間多分1500種類くらい(多分もっと)のワインを試飲をしています。

そんな僕がそれぞれの産地にどう言う印象を持っているのか?というのがこの記事です。

もしまだ前編を読んでいない人がいましたらこちらからどうぞhttps://mauvewine.com/wine-region/


では後編行ってみたいと思います!

広すぎる西オーストラリア州

後編でまず紹介するのは西オーストラリア州です。日本の媒体で見るとあまり盛んではないように読めてしまう記事が多かったのですが、おそらく州の面積が広すぎるために産地の面積を州の面積の割合で見ると、とても少なく感じるからではないでしょうか。

下の地図で見てもらうとわかりやすいですね?実は南オーストラリア州もかなりの限られたエリアに見えますがやっぱり西オーストラリア州と比べると全体の面積が違いすぎますね。

オーストラリア国内で仕事をしていると比較的上質なワインを造る印象を受け、価格も安価なものが少ないイメージがあると思います。でも実際は安価なものもちょこちょこあるのが西オーストラリア州です。

有名産地でいうと絶対的にマーガレットリバー(Margaret River)です。パースから南に3時間くらいの距離にあるこのエリアは西オーストラリア州の話をする上では外せない産地です。

有名なワイナリーがいくつもあってオーストラリアを代表する産地の1つと言ってもいいくらいの産地です。

また日本の媒体で見ていると良く名前の上がっていたスワンバレー。ここはパースから近いから紹介されてるのでは無いかというのが僕の印象です。

正直あまりわかっていないエリアなので偉そうなことは言えませんが、州を代表する産地かと言えばそうでは無いと思います。そして僕の大好きなナチュラルワインという点で見るとあまり目立つ存在では無いので少し興味が薄れるというのが僕の印象です。

マーガレットリバー以外の産地でおすすめは?というと更に南東に下った場所にあるグレートサザン(Great Southern)。このエリアが僕の中では一番です。

僕の大好きなナチュラルワインの造り手がいるからというのもありますが、ナチュラルでは無くても個人的に好きなワイナリーがいくつか浮かぶちょっと贔屓にしているエリアと言えるのがグレートサザンです。

西オーストラリア州はグレートサザンのブレイブニューワイン(Brave New Wine)

西オーストラリア州の主要品種。

それでは品種の話に行きましょう。

西オーストラリア州の主要品種は産地ごとに結構異なります。

まずマーガレットリバーはフランスのボルドーと気候が似ていると言われていてその造りの影響を受けています。そしてボルドー品種の代表であるカベルネソーヴィニョンはここを代表する品種でもあります。

そしてボルドーと同じようにソーヴィニョンブランとセミヨンのブレンドが多くみられるのもこの産地の特徴の1つです。実際そのブレンドはオーストラリアの他の地域ではあまり見られません。

しかしマーガレットリバーを代表する白ワインは実はシャルドネなんです。この産地のシャルドネは国内ではかなりの高い評価を受けていて個人的にはプレミアムなワインの印象があります。

ボルドーの影響と言っておきながらここではブルゴーニュを代表するシャルドネが出てくるあたり、とても自由でオーストラリアらしくていいですね。

次に僕のおすすめエリアのグレートサザンではリースリングが秀逸です。南オーストラリア州のクレアバレーは知られた存在ですが個人的にはドライ過ぎるものが多いです。しかしこのエリアのリースリングはドライですが果実味もしっかりあるものが多いのでかなり好みなんです。

赤ワインだとピノ・ノワールも好きなものが多いです。マーガレットリバーにもありますがやっぱり冷涼な気候に適していると言われるピノ・ノワールは南極に近くなるグレートサザンの方が良いものに会える確率は高いように思います。

そして僕はマーガレットリバーのシラーズはあまり好きでは無いのが多いのですがグレートサザンのシラーズ(またはシラー)は好きなものがたくさんあります。

あとオーストラリア国内では珍しい品種、シュナンブランを造るワイナリーも結構あるのは西オーストラリア州の大事な特徴の1つです。

意外と産地の多いニューサウスウェールズ州

そして、次は僕の住むシドニーのあるニューサウスウェールズ州です。

ここでは首都キャンベラのあるエリアも含めてお話しします。

地図で見てもらうとニューサウスウェールズ州は多くのワイン産地があるように見えますね。ただ注意してもらいたいのは価格を重視した大量生産のワインを多く造るワイナリーのあるエリアが結構含まれている点です。

ですから今回の記事の僕がおすすめをするエリアという点で見るとニューサウスウェールズ州はもう少し白いエリアが増えてしまいます。

このように言ってしまうとニューサウスウェールズ州は魅力のない州のように聞こえるかもしれませんがもちろんたくさんの素晴らしい造り手がいるのも事実です。

それではこのエリアの僕のおすすめの産地を紹介します。

まずあげるのはやっぱりハンターバレーです。オーストラリアのワイン産地で最も長い歴史を持つと言われている産地ですから外せませんね。

ただ個人的な印象としては何箇所か大好きななワイナリーはありますが、それらを除くと知名度やワイナリーの数の割には魅力的な場所は少ないです。

シドニー近郊ということもあり観光地として開発されていることもあって観光客を意識しているワイナリーが多いといつも感じてしまいます。

ニューサウスウェールズ州のイチ押しワイナリー、フランクリー・ディス・ワイン・ワズ・メイド・バイ・ボブ(frankly, this wine was made by bob)

じゃあどこがおすすめかと言うと、首都キャンベラ周辺とその西側にあるタンバランバ周辺です。あまり紹介されることは少ない産地ですが素晴らしいワイナリーが点在しています。

僕の大好きなナチュラルワインだけではなくオーストラリア国内では有名な質の高いワインを造るワイナリーもあり、オーストラリアワインを知っている人なら納得してもらえるおすすめ産地だと思います。

そしてここ以外にもピックアップするならオレンジ(Orange)サザンハイランド(Southern Highland)も抑えておく事をおすすめするエリアです。

ニューサウスウェールズ州の主要品種。

それではニューサウスウェールズ州の品種のお話をしましょう。

まず最初に思い浮かぶのはハンターバレーのセミヨンです。

これは歴史もあり、「ハンターセミヨン」というのは1つのブランドになっています。とても人気も知名度も高い代表的な品種です。造っている生産者も多いのでここではとてもよく見かけます。ただし、他の産地に行くと100%セミヨンというのはほとんど見かけないワインです。

そしてハンターバレーではシラーズも有名です。

南オーストラリアと比べると優しい印象のものが多くどちらかというと僕好みです。しかし産地のところで書いたようにいいものを造っているところは限られてくるという事もお伝えしないといけないポイントです。

その他の地域で言うとキャンベラ、タンバランバ周辺では白ワインはリースリングとピノグリ、赤ワインはシラーズがいいものが多いと思います。

そしてオーストラリアの多くのエリアで作られているシャルドネはニューサウスウェールズ州だとすぐに思い浮かぶのはオレンジです。

それ以外のエリアでもかなり造られてはいますが、おすすめするかといえば正直なところあまりおすすめはしません。もちろん中にはいいものもありますが、全体的に見ると少ないと思います。

そしてオレンジは州内で良質なピノ・ノワール造る数少ない産地の1つでもあります。

生産量は少ないが質では負けないタスマニア州

そして最後にタスマニア州(Tasmania)です。

タスマニア州はオーストラリア南東部にある島です。このエリアのワインは生産量は他州と比べると少ないですが、質はとても高いイメージです。そして昔からスパークリングワインが有名なエリアです。

店頭で見ても確実に種類は少ないですし、価格も平均的に安くはありません。そして大量生産の安価なものはほとんどありません

タスマニアは広大なオーストラリアにおいては小さい地域ですが、食においては一目置かれるエリアです。レストランも有名で評価の高い話題になるお店がたくさんありますし、食材も豊富で上質です。

個人的なイメージとしてはタスマニアは日本でいう北海道のような場所に当たると思います。

タスマニアの主要品種

タスマニアのイチ押しワイナリー、ツートン・タスマニア(Two Tonne Tasmania)

タスマニアのワインは赤ならまずピノ・ノワールが浮かびます。冷涼な気候で素晴らしいピノ・ノワールを造るワイナリーは多くあり、個人的なイメージだとタスマニアで最初に思い浮かぶのはピノ・ノワールです。

そして白だとリースリング、シャルドネではないでしょうか。どちらの品種もタスマニアを代表する品種ですが、個人的に印象に残っているワインが多いのはリースリングです。

ここまで全ての州で名前の上がっていたシラーズ(シラー)はというと、いいものも実は結構あります。だたし数は少ないので主要品種かといえば違うかもしれませんが、ぜひ試して欲しいものもあるというのがタスマニアのシラーズの印象です。

まとめ

オーストラリアの産地の話いかがでしたか?

ざっと、かなり自分の感じてる事を中心書いてみましたので今まで見たもの、聞いていたものとは違うと感じた方もいるかもしれません。

仕事でワインに関わっていると自由度の高いオーストラリアでは変化のスピードが速いように感じます。少し前の情報は古いものにすぐになってしまうので現地の感覚の話を伝えたいと思ってこのブログを始めました。

また日本のネットで見られる情報の多くが古いままであったり、日本に多く入っているワイン(特に大量生産のもの)に関わる事やその産地のことを敢えてよく書いているように思いました。

ですからこれを読んで少しでもよい品質のものにフォーカスした場合の見え方を感じてもらえたらと思います。

次回は具体的におすすめの造り手を紹介していきたいと思いますのでお楽しみに。

それでは今日も最後まで読んで頂きありがとうございました。

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Mauve Wine Co.りょーじでした。

必読!!オーストラリアの主要ワイン産地。かなりの主観、個人的好みで紹介。まずはこれを読んでリアルなオーストラリアのワインを知ろう![前編]

どうもMauve Wine Co.りょーじです。

今日はオーストラリアのナチュラルワイン(自然派ワイン)の話をする上で絶対必要な産地の紹介をしていきたいと思います。

この記事ではナチュラルワインだけの話ではなく、オーストラリアのちゃんとしたワイン全体という事でお話したいと思います。

オーストラリアのワイン産地。

造り手の紹介をする前にまずオーストラリアにはどういう産地があるのかを知らないとなかなかイメージが伝わらないですよね。

ですから今回は産地のみにスポットを当てて地図も使ってしっかりと、且つズバッと書いていきたいと思います。そしてそのあとに以前に書いた造り手の話のブログを読んでもらえたらと思います。

おそらく僕の書く内容は日本の媒体と違う部分があると思います。どうしても日本の媒体で見るとデータなどの数字から読み取っているように思える内容も多くあるので、現地のレストランなどでワインを扱う感覚とは大きく内容が変わってきます。

そして僕が伝えたいものは魅力のあるワインを造るこだわりを持った素晴らしい造り手なので、この記事には大量生産の価格重視のものは含まれてこないのでその辺を考慮して読んでいただけたらと思います。

オーストラリア最重要産地、南オーストラリア州。

オーストラリアのワイン産地の話をする上で一番重要な地域は南オーストラリア州です。これは何を見ても誰に聞いても間違いないと思います。生産量も圧倒的で有名ワイナリーもたくさんあります。

そして生産者の数も多いのでそれに比例して僕の大好きなナチュラルワインの造り手が多いのも特徴です。

その中で僕のおすすめの産地はアデレードヒルズ、マクラーレン・ヴェール、バロッサバレー、エデンバレー、クレアバレー。そしてこれはあまり紹介されないエリアでマイナーかもしれませんが僕の好きな造り手が何人かいるマウントガンビアです。

ちなみにバロッサという表記のワインを見ることがあると思いますが、これはバロッサバレーとエデンバレー両方を含むエリアのことで「バレー」という単語が入るかどうかでこの場合は意味が変わってきますので注意してくださいね。

南オーストラリア州の主要品種

次に品種の話をしたいと思います。

マクラーレン・ヴェールの風景。Copyright © 2019 Wine Folly,

代表的な品種といえばシラーズでしょう。これは外せませんね。オーストラリアと南アフリカ以外の地域ではシラーと呼ばれるこの品種は、ほぼ国内全域で造られていますがバロッサバレーは特に有名ですね。マクラーレン・ヴェールも濃い〜のが好きな方にはとても良いと思います。

しかしエデンバレーとクレアバレーも忘れては行けません。オーストラリアを代表するリースリングでも知られるこのエリアのシラーズはバロッサバレーのパワフルなシラーズよりもエレガントな滑らかさも併せ持ったワインが多く、個人的にはおすすめしたいエリアです。

以前訪れたオーストラリアを代表する高級ワイン、ヘンチキ(Henschke)が誇るヒルオブグレイス(Hill of Grace)の畑。その樹齢は150年を超える。

南オーストラリア州の白ワイン品種といえばリースリングです。これも誰も文句のない事実だと思います。上で言ってしまいましたがクレアバレーとエデンバレーはオーストラリアを代表するリースリングの主要産地です。特にオーストラリア人には人気のドライなワインで知られ根強い人気があります。

そして実はシャルドネも良いものがたくさんあります。産地でいうとアデレードヒルズが個人的にはおすすめです。僕の大好きなナチュラルワインの造り手もこのエリアのシャルドネにこだわりを持った人は多いです。ジェントルフォーク(Gentle Folk) 、ジ・アザーライト(The Other Right)、オコタバレルス(Ochota Barrels)など、彼らのシャルドネはとても魅力的です。

また赤ワインならシラーズに次いでカベルネソーヴィニョンも有名ですね。よく言われているのはクナワラ(coonawarra)です。でも個人的にはカベルネ単体よりもシラーズとブレンドしたカベルネシラーズはバロッサエリアも含め素晴らしいものが多くオーストラリアが誇るユニークなブレンドなので個人的には推したい種類です。

そして意外と知られていないけど知っておいて欲しいのがアデレードヒルズのピノ・ノワールです。基本的にパワフルな品種が有名な南オーストラリア州ですが、ピノ・ノワールも素晴らしいものがたくさんあるので是非チェックしてみて欲しいです。シャルドネで挙げた3ワイナリーのピノ・ノワールも間違いなくおすすめですし、それ以外でもクラフトワインズ(CRFT Wines)は単一畑にこだわっており、全てアデレードヒルズ産で造りはほぼ同じなのに、畑ごとに全く違うキャラクターを表現したワインを造る魅力的なワイナリーです。

もちろん他にも色々な品種のワインと出会える南オーストラリア州ですが、またそういう品種のお話は別の記事で紹介したいと思います。

品のあるワインならヴィクトリア州

そして次にあげたいのがヴィクトリア州です。ヴィクトリア州は面積は狭いですが州内のほとんどのエリアでワイン造りがされていて高品質なワインが多いとても魅力的なエリアです。

また冷涼な気候なのでパワフルなワインの印象が強いオーストラリアワインですがこのエリアは比較的エレガントなものが多いので個人的には好きなワイナリーが多いです。

おすすめエリアというとやっぱり有名なヤラバレーです。近年の新しい造り手も含めて素晴らしいワインが多いです。ヤラバレー以外でいうとモーニントンペニンシュラ、ジーロンなどが有名ですね。そして個人的に絶対外せないのはギップスランド(Gippsland)です。州の東部に広がるこのエリアはナチュラルワインにおいては重要で、有名産地という感じではないですがおすすめのワイナリーが集まっています。

その他にも州西部の山沿いのエリアであるピレニース、そのエリアとメルボルンの間にあるマセドンレンジスなどもいいワインに出会えるお気に入りの産地です。

ヴィクトリア州の主要品種

ヴィクトリア州の主要品種といえば間違いなくシャルドネとピノ・ノワールです。

この2品種は州内の多くのエリアで栽培されていて質もとても高いものが多いです。そして特に上のおすすめで書いたヤラバレー、モーニントンペニンシュラ、ジーロンなどは、これらの品種から造られた上質なワインを生み出している事で知られているエリアの代表です。

そしてもちろんシラーズも造られています。南オーストラリア州の主流のスタイルと比べるともちろんパワフルではないですが、質で劣るわけではなく違うスタイルの素晴らしいワインを生み出しています。

ヴィクトリア州でシラーズと言えばヒースコート(Heathcote)が有名です。もちろん他の地域でも造られていますし、良いものもたくさんありますが、ヴィクトリア州のシラーズと言ってすぐに思い浮かぶエリアは間違いなくここです。

そしてヤラバレーなどではシラーというフランス・ローヌのオリジナルの名前を使い、従来のオーストラリアのシラーズとは違うスタイルだという事を主張しているワインも結構見られます。ボバーワインズ(Bobar Wines)やマック・フォーブス(Mac Forbes)のシラーは試して頂きたいおすすめのワインです。

また白ワインではシャルドネの他にもピノグリソーヴィニョンブランもいいものによく出会います。特にソーヴィニョンブランはそんなに量があるわけではないと思いますがバランスがよく僕のタイプのワインが結構ある隠れおすすめワインです。

イタリア系品種が盛んな地域

またヴィクトリア州というとフランス系品種が主流のオーストラリアにおいて珍しいイタリア系品種を栽培している造り手が結構いる印象です。

サンジョヴェーゼやネッビオーロ、フィアーノなどの品種は、今でこそ他の地域でも見かけますがヴィクトリア州では特に多い印象ですし、何年も前から見かけていた記憶があります。

ピレニースのラッタ・ヴィーノ(Latta Vino)やヤラバレーのルーク・ランバート(Luke Lambert)の造るネッビオーロは秀逸でかなりおすすめのワインです。

前編のまとめ

思ったより長くなってしまったので前後編に分けさせてもらうことにしました。

前編は南オーストラリア州とヴィクトリア州。この2つは他の州と比べてもちゃんと質を追求していたり、しっかりとこだわりを持ったワインを造るワイナリーだけを見るととても重要な造り手が数多くいるエリアです。

もちろん他の州にもたくさんの素晴らしい造り手がいますがこの2つの州が特に多いというのが個人的な意見です。

そしてこの2つの州を見てもらっただけでもかなりの違いがあるのがわかると思います。自由な造りと言われるオーストラリアですからフランスの産地と比べると1つの産地の中でも多くの種類の品種が栽培されていることがわかると思います。

それらを単一で造ったり、独特なブレンドで造ったりととても多様性に富んだものに出会うことができます。しかしそれでも広いオーストラリアですから気候も土壌もいろいろありますので地域ごとの差は出てきます。

その差や違いをこの文章で感じてもらえたら嬉しいです。そして後半では更に他の地域も紹介しますのでその違いを見つけてみてください。

後編も頑張りますので楽しみにしていてください。

それでは今日も最後まで読んで頂きありがとうございました。

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Mauve Wine Co.りょーじでした。

シドニー近郊の世界遺産、ブルーマウンテンズでナチュラルワインを造る親子。ボブとトム・コールマン(Bob & Tom Colman)のフランクリー・ディス・ワイン・ワズ・メイド・バイ・ボブ(frankly, this wine was made by bob)。

どうもMauve Wine Co. りょーじです。

今日はワインの産地としてはほとんど知られていないシドニー近郊にある世界遺産ブルーマウンテンズ(Blue Mountains)のブラックヒース(Blackheath)というところでナチュラルワインを造る親子、ボブとトム・コールマン(Bob & Tom Colman)フランクリー・ディス・ワイン・ワズ・メイド・バイ・ボブ(frankly, this wine was made by bob)(以下フランクリーワインズ)を紹介します。

去年のリリースで特にお気に入りだったシャルドネ。

知名度はあるが少し見劣りするニューサウスウェールズ州のワイン産地

オーストラリアのワイン産地といえばバロッサエリア(Barossa)に代表される南オーストラリア州(South Australia)アデレード(Adelaide)近郊やヤラバレー(Yarra Valley)などで知られるヴィクトリア州(Victoria)メルボルン(Melbourne)近郊、そして西オーストラリア州(Western Australia)のマーガレットリバー(Margaret River)などがよく知られています。

もちろんシドニーのあるニューサウスウェールズ州(New South Wales)にもハンターバレー(Hunter Valley)という有名なエリアがあり、色々な媒体で紹介されています。

オーストラリアのワイン産地の地図

ただ個人的には南オーストラリア州とヴィクトリア州の方が多くの素晴らしいワイナリーが集中していてニューサウスウェールズ州は少し見劣りする印象です。(もちろん個人的にも大好きで素晴らしいワイナリーもあります。ただ他の州と比べると少ない印象があるという意味です。)

またタスマニア州(Tasmania)も小規模ながら素晴らしいワイナリーが点在しているので僕の中ではニューサウスウェールズ州というのはある程度生産量があり(大量生産の大規模なワイナリーがあるため)ながら良いワイナリーは少ないという印象なんです。

マイナーエリアで造られるナチュラルワイン

かなり珍しいプティベルドーを使用したワイン。

そんな州の中でブルーマウンテンズというのはワインのイメージがほとんどないエリアで世界遺産で観光地というのが世間のイメージです。そしてコールマン親子のフランクリーワインズは素晴らしいナチュラルワインをそんな場所で造るとても珍しい例の1つなんです。

コールマンファミリーの自宅の前の道路。この日はものすごい濃霧だったが、山あいのこのエリアでは割と頻繁に霧が立ち込める。

彼ら親子はブルーマウンテンズでワイン造りをしていますがブドウはそこから西に2時間ほどドライブした場所にあるオレンジ(Orange)のものを使っています。

かなり離れた場所のブドウを使っていますが彼らもちゃんと畑に行き、手入れをしているので半分自社畑のようなスタイルです。そしてもちろんオーガニックで栽培したブドウを使いワインを造っています。

彼らの自宅のダイニングエリアから。目の前の木はとても立派な紅葉で奥は霧で真っ白になっている。

リビング・ダイニングから玄関に向かう階段。カントリーハウスは本当に憧れてしまう。

とてもセンスの良いリビング。家を紹介する記事ではないがとても素敵だったのでみなさんにも見てもらいたくて載せました笑。

運命を感じた息子の決断

ボブ・コールマンとその家族は元々シドニー在住でその後、ブルーマウンテンズのブラックヒースに移住し、現地で不動産業を営んでいました。(現在は妻のアデルが経営している。)

その頃から彼はワインが大好きで沢山のワインを入手しており、現在でも彼のセラーには約1000本のワインが保管されています。

庭の家庭菜園。もちろんオーガニック。

20代の頃、実は1度ワインメイカーになることを考えたボブでしたが色々な事情によりそれを選びませんでした。

しかし奇しくも息子のトムが彼がワイン造りを志そうとした時と同じ年齢になった2013年にワインメイカーになることを決断するのです。

そしてトムはワイン造りを学ぶために進学をし、ボブもそれに触発され自身の夢出会ったワイン造りの道へ足を踏み入れる事となるのです。

ナチュラルワインならバスケットレンジに行け!

行き先を示す標識。オーストラリアのナチュラルワインを語る上では外せない地名が並ぶ。

コールマン親子は当時ワイン造りを始める事を決意した時、すでにナチュラルワインを造ることも決意していました。

トムが南オーストラリア州でワイン造りを習った頃、ボブはまず最初にナチュラルワインを造るという事をワインジャーナリストのマックス・アレン(Max Allen)に相談します。

そしてボブはマックスに1人の造り手に会うことを勧められます。その造り手とは当時すでに南オーストラリア州・アデレードヒルズのバスケットレンジでナチュラルワインを造り、結果を出していたヤウマのジェームス・アースキンでした。

ヤウマのジェームス・アースキン

そして彼はジェームスに会うために南オーストラリアに行くのでした。

当時、南オーストラリア州のアデレードヒルズ(Adelaide Hills)にあるバスケットレンジ(Basket Range)という地区ではルーシーマルゴー(Lucy Margaux)のアントン・ファン・クロッパ(Anton Van Klopper)ヤウマ(Jauma)のジェームス・アースキン(James Erskine)、そしてジ・アザーライト(The Other Right)のアレックス・シュルキン(Alex Schulkin)など、今ではとても有名になった造り手たちが結果を出していて、その次の世代が続々と集まり始め、オーストラリア国内でもナチュラルワインが盛り上がり始めてきた時期でした。

以前に書いたこの造り手たちの記事は下のリンクからどうぞ↓↓↓

いよいよ親子のワイン造りのキャリアがスタート。

自宅の横に作ったらシェッドがワイナリー。広くはないがこれくらいの規模の造り手は結構いて、そのほとんどが素晴らしいワインを造る。

2015年のビンテージから、トムはヤウマのジェームスの元でボランティアとして働きながらワイン造りを学びます。

そしてこのアデレードヒルズのバスケットレンジという、ナチュラルワインの造り手が集まり、現在では聖地のように呼ばれているエリアで、トムは沢山のことを吸収していくのです。

シェッドを利用したワイナリー。

経験だけではなく、味を見極める才能も持ち合わせる。

その後トムは2016年にバロッサバレーのイェランド・アンド・パップス(Yelland & Papps)、2017年には再びヤウマ、そして2018年にはバスケットレンジのジェントルフォーク(Gentle Folk)でワイン造りをしていきます。

このような経験をしたトムのワインは間違いなくワイン好きを楽しみにさせるもので、オーストラリアのナチュラルワインを知っている人からすると彼のワインを見てみたいと思うはずです。

トム・コールマン。熟成中のワインを樽から全て試飲させてくれ、丁寧にさせてくれた。

さらにトムはジェントルフォークでのビンテージを過ごした後はヨーロッパに渡り、ワインを造ってきていますし、その合間にはシドニーで1番有名なワインジャーナリストの1人、マイク・ベニー(Mike Benny)の手がけるワインショップであるピー・アンド・ブイ・ワイン・アンド・リカー・マーチャント(P&V Wine + Liquor Merchant)で働き、マイクからの知識も沢山得ています

以前に書いたピー・アンド・ブイの記事はこちら↓↓↓

そしてトムの話をする時にみんなが口を揃えていうことが「テイスティングの能力」が高いということです。ですからボブはワインのブレンドや瓶詰めの時期などはトムの舌を信頼して任せているのです。

父・ボブだって負けてない。

ここまでかなりトムの事ばかりを書いてきましたが、ボブだって負けてません。

僕の彼の印象は「とてもスマートな人」です。とても理論的で説明もわかりやすくそして色々なことをとても勉強している人だと感じます。そして自分の考えをしっかりと持っていてそれに対してとてもまっすぐだと感じます。

そして先にも書きましたが家には幅広い産地とビンテージで約1000本をストックしており、元々ワインを仕事にはしていないもののかなりのワイン好きです。

そしてヨーロッパも旅行してワイン産地を訪ねるなど沢山のワインを見てきて知識、経験はすごいものがあります。

事実ワインの仕込み、醸造のほとんどはボブを中心に行われていて、彼のキャラクターから生み出される造りのこだわりはしっかりとフランクリーワインズには反映されているのです。

ボトリングの機械。かなりの少量生産なのでこのサイズの機械で足りてしまう。

今後の展望。自社畑や増産を考える。

ラベル表記は全てfrankly, bob made this ○○○(○は品種名)となる。

現在、フランクリーワインズはブドウを購入してワインを造っています。彼ら自身が頻繁に畑に行き管理をしてはいるものの自社畑ではありません。

約2時間のところに行く手間なども考えここ数年もう少し近い場所に自身の畑を持つことを検討しているようなのですがそれにはいくつかの障害や悩みがあるようです。

彼らの住むブラックヒースから約1時間のところにあるバサースト(Bathurst)fというところにある畑を1度購入することを検討したそうなんですがその時、野生の猪にブドウを食べられてしまうことが発覚してやめたそうです。

また同じエリアの造り手の話で収穫の少し前に雹の被害にあって、たった10分で全体の30%ものブドウが被害に遭い使い物にならなかったということがあったそうです。

このように現在のような規模で造るうちはリスクの方が高いようなので中々購入には至っていないようです。そして今購入しているブドウも自分たちでほぼ管理ができているので納得の品質のブドウが手に入ることも決め手を欠く要因だと思います。

とはいえ現在は約10t仕込んでいるブドウも今後は15−20tを視野に入れているようなので近い将来自社畑で栽培をしてワインを造る時が来るはずです。

熟成中のマルベック。フランクリーワインズではかなりメインの品種。

まとめ

コールマン親子が造るフランクリー・ワインズ、いかがでしたか?

ハッキリ言ってオーストラリア国内でも本当に知っている人は少ないと思います。個人的にとてもよくしてもらっていて今回の訪問でもランチとワインをご馳走になり、さらにワインを6本もらって帰ってきました。

別によくしてもらってるから宣伝してるわけではなく、とてもワインに魅力を感じるから僕からも常にコンタクトを取っていて彼らもそれに答えてくれているだけです。

すでにファンになっていますが、実際まだまだ良くなると思っていて、最近ボトリングをしたというロゼとオレンジにはとても期待しています。今後もインスタやツイッターブログなどでも必ず紹介していくワイナリーなのでみなさんも注目していてください。

左からトム、アデル、ボブのコールマンファミリー。他に2人の姉妹がいる。

それでは今日も最後まで読んで頂きありがとうございました。

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Mauve Wine Co.りょーじでした。

番外編!シドニーのクラフトビールも紹介してみよう。注目エリア、マリックビルの隠れ人気醸造所。グリフター・ブリューイング(Grifter Brewing Co.)

どうもMauve Wine Co.りょーじです。

今日は番外編という事でシドニーのクラフトビールを紹介します。

実はオーストラリアはクラフトビールがかなり盛んです。ビールの消費量はものすごいですし、人気もあるので当然といえば当然ですね。

建物の半分は画像のような醸造スペース。

特に近年は沢山の新しい醸造所ができていて、値段も安くないにも関わらずどんどん人気が出てきています。

そして何よりも美味しいビールが沢山あるのでとてもおすすめです。

マリックビルのグリフター・ブリューイング

シドニーで個性的なスタイルを持った人が集まるエリアといえばシドニー中心部からすぐ南西側に隣接するニュータウンが有名です。そしてその先にあるエンモアまでのメイン通りであるキングストリートからエンモアロードは沢山のお店が軒を連ねていてお世辞にも綺麗とはいえませんがおしゃれで個性的なエリアとなっています。

そしてニュータウンとエンモアにあるその人の流れは、地価の高騰のせいもあってか近年新しいものへの感度が高い人たちによってその先にあるマリックビルまで伸びてきています。

ニュータウンのメイン通り、キングストリート。

そんなマリックビルにはいくつかのクラフトビールの醸造所があり、その中で今回紹介するのは僕が特におすすめするグリフター・ブリューイング(Grifter Brewing Co)(以下グリフター)です。

工場エリアに馴染んでしまっているから見つけづらい

グリフターのあるマリックビルは小さな工場や倉庫などが沢山あるエリアです。近年はおしゃれなカフェやバーなどが隠れ家的な立地で増えてきましたがまだまだ工場などが主です。

道路から見えるグリフターの看板。醸造所はこの奥にある。

そんな立地でグリフターは街の景観に馴染んでしまっているので見逃してしまわないように画像にある看板を探しながら向かってください。

逆方向から来た場合に見える看板。

とは言え今の時代はスマホのマップ機能を使えば迷うこともありませんね。スマホで検索すればグリフターはすぐに見つかりますのでご安心を。

醸造所併設の空間がとてもおしゃれ!

いかにもシドニーにある工場の一角という外観。

グリフターの醸造所は典型的なシドニーの町工場スタイル。そんな外観は逆にお洒落に感じます。そしてマリックビルはこのようなスペースがとてもたくさんあるエリアなんです。

醸造所へ続く通路。

看板を目印に入り口から入り、カーペットの敷いてある通路を抜けるとビールの醸造タンクが目の前にあり、その左側がビールを楽しむパブスペースとなっています。 

通路を抜けるとそこはお洒落なパブスペース。

種類は沢山、個性豊かなビールが揃う。 

ここではグリフターのすべてのビールが楽しめます。ちなみにこの日は12種類ありました。季節限定のものがあるので時期によって種類は変動します。

バーカウンター。オレンジ色の上部はメニュー。ビールの蛇口は壁に埋め込まれている。オリジナルのエンブレムはとてもかっこいい。

価格は普通サイズのミディー(285ml)が$5から$6、小さいサイズのポニー(200ml)が$3.5です。少量から頼めるのでたくさんの種類を試すことができそうですね。

各テーブルにおいてあるメニュー。

 オーダーはいきなりカウンターに行って注文してもいいですが、混んでる時やあまり英会話に自信の無い方はまずは各テーブルにメニューが置いてありますのでカウンターに行く前にどんな種類があって何が飲みたいのかを確認しましょう。

コースターも種類が沢山あって、持ち帰りたくなってします。

普通のビールが飲みたいという方にはピルスナーがおすすめです。スッキリしていて飲みやすいです。ピルスナーにはもう1つ変わり種でスイカと一緒に作ったウォーターメロンピルスナーなんてものもありますので変わったものが飲みたい方にはオススメです。

おすすめのグリフター・ピルスナー。

そしてオーストラリアといえばイギリスと同じようにエールビールも人気です。特にペールエールはシドニーのどこに行ってもとても人気です。そして濃くて苦いビールなら同じエールビールのIPAがオススメです。 

オリジナルのグラス。

もし決められない場合は4種類(ポニーが4つなのでバラで買うより$2お得です。)を$12で楽しめるテイスティングトレーというものもあるので、お店の人のオススメを4種類頼んでみてもいいと思います。

ここでしか買えないオススメのお土産! 

オリジナルTシャツ。

そしてシドニーのクラフトビールの醸造所に行ったらオススメのお土産があります。それは醸造所オリジナルのTシャツです。グリフターのTシャツは$35で買うことができ、とてもお洒落な上に日本では見つけることができないので個人的にはかなりおすすめです。 

他の醸造所にもあるので色々揃えてみるのも楽しいですね。


グリフターブリューイング(The Grifter Brewing Co.)
Enmore Road Marrickville NSW 2204
+61-02-9550-5742
www.thegrifter.com.au

今回は番外編としてクラフトビールを紹介しました。グリフターはまだそんなにメジャーではなく、知る人ぞ知る醸造所です。

しかし最近は人気が出てきて僕がメニューを作っているレストランの分を発注すると、結構頻繁に1週間後まで在庫がないような返答を受けます。

ただでさえ取扱店の少ないグリフターですが今後さらに人気が出て入手困難になる日が来るかもしれません。

アルコールの取り扱いには厳しいシドニー。お酒を飲んでいいエリアは厳しく決められている。

今日も最後まで読んでいただきありがとうございました。

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Mauve Wine Co.りょーじでした。


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